世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年7月6日

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米国の「極端な現実政治」

 1つ目は、トルコが、YPGとトルコ政府がYPGの親分と言っているクルド労働者党(PKK)の双方の政治指導部との静かな対話を模索することである。エルドアンはPKKとの話し合いを進めていたが、昨年方針を変えた。しかし、エルドアンがクルドとの和解を達成できれば、それは彼の功績になり、トルコの安全保障と地域の安定に資するであろう。

 2つ目の提案は、米国がシリアのもう一つのクルド民兵組織、Rojava Peshmerga(Roj Pesh)を陣営に加えることである。Roj Peshはトルコとジュネーブでの反政府グループの双方により受け入れられやすい。Roj Peshはイラクのクルド自治政府とその指導者のバルザニ大統領が支援し、訓練している。Roj Peshは、米国の戦略の大きなギャップの橋渡し役を務め得る。Roj PeshのDehdo司令官は、イラクに訓練された3000人の戦闘員を有し、米国の司令のもとにYPGと協力する用意がある、と述べた。

 いまはISを打ち負かし、地域の混乱については後で心配するというのが、シリアにおける米国の作戦の「極端な現実政治」と言われる。しかし、米国とトルコは地域の戦略についてより賢くなる必要がある。さもなければ、両国は衝突に向かって進むだろう。

出 典:David Ignatius‘On Syria, the United States and Turkey need each other’(Washington Post, May 26, 2016)
https://www.washingtonpost.com/opinions/on-syria-the-united-states-and-turkey-need-each-other/2016/05/26/3a9b5ea6-237e-11e6-8690-f14ca9de2972_story.html

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