イノベーションの風を読む

2016年7月20日

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川手恭輔 (かわて・きょうすけ)

コンセプトデザイン・サイエンティスト

1990年代から、大手メーカーでインターネットサービスの企画・開発・運用を手がけ、自ら立案したグローバルなサービスを複数立ち上げた経験を持つ。その1つは、サービスのデザインでグッドデザイン賞を受賞した。コンピューターサイエンス関連の翻訳本も多数ある。

 ドイツの作家トム・ヒレンブラントがSFミステリー小説『ドローンランド』に描いた2050年ごろの世界からは、スマートフォンが完全に消滅している。代わりに人々は、喉に装着したマイクでクラウドにあるコンピューターと会話する。大小さまざまなドローン(無人飛行機)によって収集された膨大なデータがクラウドに蓄積され、コンピューターはそれを分析してデーターベース化している。

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ドローンランドの世界観

 そして、あらゆるリクエストに即座に応えて、人々が常時装着している眼鏡型のデバイス、あるいはテーブルや壁に張り付いたホイル(箔)と呼ばれるディスプレイに情報を表示する。ドローンランドは監視社会だ。人々のすべての行動はドローンによって記録され、プライバシーは完全に失われている。もちろん誰もそんな未来は望んでいない。

 米国ではUAS(Unmanned Aerial System)と呼ばれる軍事用のドローンが、1990年代から主に中東における偵察・情報収集に使われ始めた。9.11以降、プレデターという不気味な名前で呼ばれる武装したドローンが、米国本土からの遠隔操作によってミサイル攻撃を行うようになった。プレデタータイプのドローンは、ハリウッドの映画にも度々登場する。

 その誕生の経緯からか米国ではUASは飛行機と見なされ、小型のsUAS(Small UAS)であっても飛行機のパイロット免許が必要とされてきた。しかし、これまで商用のドローンの飛行を厳しく制限してきた連邦航空局(FAA)が、6月にsUASの運用ルールを発表(発効は8月)した。日本でも昨年の12月にドローンを対象にした「改正航空法」が施行されており、いよいよドローンの商業利用が日米で本格化することになる。

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