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2016年7月29日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。1972年共同通信社に入社、経済分野を取材し編集委員などを経て2010年に退職し、現在は経済ジャーナリスト。

 日銀がマイナス金利を導入してから約5カ月が経過、預金金利は低下する一方だが、市民にとってその恩恵を受けられるのが住宅ローン金利の低下だ。ローンを安い金利のものに借り換えれば金利コストを軽減できるが、金融機関の審査や手続きが意外と面倒で借り換えを実行してそのメリットを受けている人がまだ少ない。その中で、4月から相談窓口(モーゲージ・ネクスト)を設置して独自の住宅ローン借り換えサービスを始めたMFS(中山田明社長)というベンチャーがある。

手続きにハードル

iStock

 米国のベアスターンズ証券や新生銀行で住宅ローンの証券化業務などを経験した中山田社長は、ローン金利の低下でネットを通じて借り換えをしようとしても、借り換えの実現までたどり着く人は10人中1人しかいないという現実があることを知った。そこには、ローン借り換え行う上で3つのハードルがあることが分かった。

 ①借り換えのメリットが分かりにくい

 ②住宅ローンは120銀行が1000本くらい出ているが、どのローンに借り換えたらいいのか決めるのが難しい

 ③申し込んでも銀行の審査手続きなどに時間が掛かる。

 それならば、こうした課題を解決すればビジネスになるのではと思い、ワンストップで住宅ローンの借り換えが可能となるサービスを始めた。現在、住宅ローンの件数は1200万件、ローン残高は180兆円もある。このうちいまの金利水準で借り換えをすればトクになる借り換えの潜在需要は600万件もあるが、需要はあるものの借り換えの実行できていないユーザーが多い。

(出所)MFS
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 現在、借り換えが実行できているのは600万件のうち15万件だけで、膨大な借り換え需要がある。しかも既存の金融機関は、他行の住宅ローンを自行に借り換えさせたいが、自行のローンは他行に取られたくないため、あまり積極的にはローンの借り換えを打ち出しにくい事情がある。その点でMFSはどの金融機関とも関係がないのでユーザー本位の借り換え提案ができる。

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