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2016年7月29日

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小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

育てられ方を振り返ることで、自分を知る

――学生の方たちはアンケートに答えることで、自分がどういう育てられ方をしたか、どこが良くてどこが足りなかったか、自分で分析する。これって本人にとっても意味があることなのではと感じました。

ムーギー:ありがとうございます。一見、子育てについて書いた本ですが、ほかにも2つポイントがあります。1つは子どものいない人にとってもリーダーシップを考えるための本になるよう書き上げています。たとえば、「うちの部下はなんで自分で考えられないのかな」って思っている上司の方が、「そういえば俺、部下に何も決めさせてない」と気づくとか。

 もう1つは、自己分析に使える。子どものときになんでも決めさせてもらえたから主体性があるんだとか、子どものときに親に押し付けられてばかりだったから、自分はなんでも待ちの姿勢なんだとか。幼少期に受けた教育方針を思い出し、自分の根っこの部分に気付くことで、自分の癖がわかるようになる。そういう自己分析の意味合いも強いのかなと。

パンプキン:ちょっとだけ補足ですけど、60代とか70代の男性からもメールをいただくんです。「自分の母を思い出すきっかけになって、涙が出て仕方なかった」って。それで自分の残された生を見つめ直して、真面目に生きようと思ったっていうのが、1通や2通じゃないんですよ。

ムーギー:親に自分がどれだけ愛されたのかがわかる本で、そういうお便りは多いです。自分はこういう風に育てられたなと、親の愛情を思い出す本でもあると。

勉強する理由の動機付けを

――育てられ方で不満だった点として、学生から「親が勉強の大切さを教えてくれなかった」という声がありました。

ムーギー:この勉強が将来、何に役に立つのか、なぜ重要なのか子どもの頃はわからないんですよね。そこを教えてあげることの大切さは感じます。大人からすると「わかってるだろう」と思うことが子どもはわかっていなかったりする。

パンプキン:うちもそういうことがありました。

ムーギー:中学受験のとき、パンプキンは一生懸命勉強を見てくれたけど、私は「近所のおばさん同士の見え張り合戦に勝ちたいから、俺を合格させたいんだろう」と思っていましたからね(笑)。

パンプキン:親は将来のことを考えて言うけれど、子どもからしたら、「受験でそこの学校行かんでも僕の人生いっぱいあるのに」って思うんですね。その学校に入ったらどうなれるのかというデザインを描かないと、勉強して合格しろ、だけだとやはり自発的に勉強はしませんね。

ムーギー:知人の教育者の方が、「楽しく教えることと同時に注力したいのが、今勉強していることが将来具体的にどんなことに応用できるのか」と仰っていました。将来、いまやっている勉強がどんな風に役立つかをつなげてあげることが、大きな学習意欲の動機付けになると思います。

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