BBC News

2016年7月22日

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米国プロバスケットボール協会(NBA)は21日、2017年のオールスター戦の開催地をノースカロライナ州シャーロットから変更すると発表した。性的少数者(LGBT)に差別的とされる州法に抗議するためだという。

ノースカロライナ州で今年3月に成立した通称「HB2」法は、LGBT差別を禁じる地元の条例のいくつかを無効化するもので、HB2法への抗議でロック歌手のブルース・スプリングスティーンさんなどがコンサートを中止するなど、反発する動きが相次いでいた。

NBAは発表文書で、「NBAが取引きをするすべての市、州、国の法律を選べないことは認識しているが、HB2によって引き起こされた環境の中でオールスター戦のイベントをシャーロットで成功裏に主催できるとは考えられない」と述べた。

NBAは新たな開催地を今後数週間のうちに発表する予定。

NBAは、「問題の適切な解決」がされれば、2019年にシャーロットを再び開催地に選ぶ可能性もあるとしている。エキシビジョン試合のオールスター戦は開催地に多額の利益をもたらす。

HB2法の成立で、ノースカロライナ州は米国で初めて、心と体の性別が一致しないトランスジェンダーに対しても、出生証明書に記載された性別のトイレを使うよう定める州となった。

これを受けてスプリングスティーンさんをはじめ、元ビートルズのリンゴ・スターさん、バイオリニストのイツァク・パールマンさんなどが同州でのコンサートを中止。ペイパルやバンク・オブ・アメリカ、アップルなど大手企業も、ボイコット措置を取ると表明した。

ノースカロライナ州のパット・マクローリー知事(共和党)は、NBAの決定を受けて声明を出し、「大多数の人が単純に、異性がいない学校のトイレやロッカールーム、シャワーを少年、少女が使えるようにすべきだと考えているために」、「スポーツ・エンターテインメントのエリート」たちが、「我が州の法律を歪曲して説明し、ノースカロライナの人々を悪者に仕立て上げた」と述べた。

LGBT権利擁護を訴える人々はNBAの決定を称賛。人権団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)のチャド・グリフィン氏は、「NBAとコミッショナーのシルバー氏は本日、LGBTQの被雇用者、選手、ファンに対する差別を許さないという明確なメッセージを出した」と述べた。

(訳注:LGBTは「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー」の略。LGBTQの「Q」は「questioning」、もしくは「queer」を意味すると言われる。「questioning」とは、自分の性的指向あるいは性別について決めていない人を指す。「奇妙な」という意味の英語からくる「queer」は、かつては性的少数者の蔑称だったが、近年では性的少数者の総称として使う人も増えてきた)

(英語記事 NBA moves North Carolina All-Star game over 'bathroom bill')

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36863664

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