BBC News

2016年7月26日

ドイツ南部アンスバッハで24日午後10時(日本時間25日午前5時)過ぎにシリア人男性が自爆した事件で、バイエルン州政府は、男が過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)の指導者に忠誠を誓うビデオを作っていたことが分かったと明らかにした。ビデオで男はドイツ人に「復讐する」と話しているという。爆発では15人が負傷し、そのうち4人が重傷。

ドイツ連邦検察は、「外国テロ組織の関係者の疑い」があるとして捜査に着手した。

もしISとの関係が確認されれば、ドイツ国内で初のIS関連の自爆事件となる。ISは犯行声明を出している。

検察は、容疑者について27歳の「モハンマド・D」と公表。自爆犯の電話に保存されていたビデオでは、覆面の男がIS指導者のアブ・バクル・アル・バグダディに忠誠を誓っており、捜査当局は覆面の男が「モハンマド・D」容疑者だとみている。

州政府のヘルマン内相は、容疑者がビデオで「ドイツ人はイスラムの道を妨害しているので、ドイツ人に復讐する」と宣言していると話し、「このビデオが見つかった以上、イスラム過激主義が背景にあるテロ攻撃だと疑いようがないと思う」と述べた。

内相はさらに、容疑者の遺体や一時宿泊施設から、電話2台と複数のSIMカード、ラップトップ・コンピューターが見つかったため、すべての電子端末のデータを精査していく方針だと説明した。

捜査筋によると、シリアからドイツに入国した容疑者は難民申請を却下され、先に難民認定されていたブルガリアへ強制送還される予定だった。

これまでに精神科病院に入院したことがあり、2度の自殺未遂歴もあるという。

バイエルン州政府関係者によると、自爆に使われた爆弾は明らかに、できるだけ大勢を殺害するため金属片などで殺傷力を高めてあった。また宿泊先には、燃料缶や過酸化水素や電池など、爆弾製造の部品がさらに残っていたという。

ドイツ連邦政府のデメジエール内相は、国際テロおよびISとの関連の可能性を認めた上で、「心理あるいは精神障害や不安定な症状を除害することはできない。もしくは、両方が組み合わさった可能性もある」と慎重な姿勢を示した。

容疑者と同じ難民希望者の宿泊施設に住む男性は、容疑者はよく意味もなく嘘をついたと話す。また、ISは嫌いだといつも言っていたという。

ドイツでは18日夜、南部ビュルツブルクの列車内でアフガニスタン人の移民少年がおのやナイフで乗客を襲い、4人が負傷。ISは、少年が事件前に撮影したビデオを公表し、自分たちによる攻撃だと宣言した。

また22日にはミュンヘンのショッピングセンターで乱射事件があり、9人が死亡した。この事件は、聖戦主義とは無関係とみられている。

さらに24日には、ドイツ南部ロイトリンゲンで、シリア出身の難民希望者が、ポーランド人女性をなたで殺害したほか2人を負傷させたとして逮捕された。警察は「激情にかられた」犯行だった可能性を示唆している。

シリアを出て欧州連合(EU)で難民申請する人の多くは、ギリシャかトルコ経由でドイツを目指してきた。

昨年ドイツに難民申請したシリア人は10万5620人。申請を却下されたのはわずか23人だ。却下の理由は、申請者が嘘や不完全な情報を提出した場合がほとんどという。

ドイツ紙ベルトによると、過去2年の間にドイツで難民申請が却下された人の半数は、そのまま在留を認められている。

(英語記事 Ansbach explosion: Bomber pledged allegiance to IS)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36891234

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