2024年4月25日(木)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2016年8月4日

 多少ともやる気と知識と時間のある人は『食事バランスガイド』(※2)を見てみよう。たとえば、主食(ご飯、パン、麺)では、成人が一日に摂取する適量は「5つから7つ」としてある。「1つ(1サービング)」分はご飯ならおにぎり1個、ご飯茶碗に軽く1杯、食パンなら1枚、ロールパンなら2個。「2つ」分というのは、うどん1杯や盛りそば1枚。

 おそらくここで、多くの人からツッコミが入るだろう。ご飯茶碗は大きさが違うだろうし、食パンも厚さによって違うだろ!と。そのとおりなのだが、そういう「細かいこと」はこのさい気にしない。だいたいの目安を頭に入れればいい。

 しかし、食事バランスガイドを見ていくうちに、どうにも混乱する数字がでてくる。ご飯の中盛り1杯(これは日常的に私たちが一番多く口にする量だろう)が「1.5つ」分となっているのだ。日本語に1.5つなどという言葉はない。数え方がアメリカの借り物であることからこういうことが起きる。ここにきて、食事バランスガイドの弱点が露呈してしまう(と私には感ぜられる)。数え方の違和感が気になって、「適量感覚」を身につけることが非常に困難になる。

「適正量」かどうかは体重計に教えてもらう

 自分の食事量が「適量かどうか」を判断するためには、「摂取量」とほぼ同じくらい重要な要素がある。それはあなたの消費エネルギー量(消費カロリー量と言いかえてもいい)だ。人はそれぞれ「消費エネルギー量」が異なる。仮に摂取エネルギー量(摂取カロリー量と言いかえてもいい)が同じであっても、消費エネルギー量が少なければ、その人の体重は増える。

 つまり「適正量」を知るためには「摂取エネルギー量」と「消費エネルギー量」の両方(エネルギーの出納という)を正確に知らねばならない。こんなことはビジネスパーソンには不可能といえよう(これは、じつは、管理栄養士や医師にとっても不可能に近いことである)。それでは「適正量」を知るすべがないではないか!と、若干いらつき気味のあなたへ。

 自分の食事量が、エネルギー出納の見地から見て「適正」であるかどうかを知る、簡単な方法がある。栄養計算やカロリー計算などは全く不要。それは「体重計に教えてもらう」方法だ。

【※2】
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html


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