世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年8月5日

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 米シンクタンクCSISのJames Andrew. Lewis上席副所長は、7月5日付の同研究所のサイトで、無人機による攻撃は、一般市民に被害を与えるリスクはあるが、反乱グループに聖域を与えないための重要な手段である、と述べています。論説の要旨は以下の通りです。

テロはそのために使われる一つの戦術

 無人攻撃の対象をテロリストと称しているが、より正確には、シャリア法に基づく国を作るために現存の政府を倒そうとしている反乱グループとして理解すべきである。テロはそのために使われる一つの戦術である。

 反乱を成功させる重要な要素は聖域である。もし聖域が他国の領土にある場合には、その国は領土を他国の攻撃に使用することを禁じる国際法を遵守していないことを意味する。この点が、自衛権と並んで、無人攻撃の合法性の議論に含まれなければならない。

 反乱グループを打ち負かすのに、聖域を与えないことが重要であり、そのためには無人攻撃が最善である。当然ながら反乱グループは無人機の使用をやめさせるため政治的手段を講じようとするだろう。よく使われる手段は一般市民の死傷者の数を膨らませ、西側の世論に働きかけることである。しかし米国が一般市民に死傷者が出るリスクを取らなければ、テロによる一般市民の死傷者の出るリスクが増える。

 無人機攻撃の反対派は、無人機の攻撃の数とテロリストの襲撃の数との間には明確な関係は無いと批判する向きがあるが、反乱グループとの戦いは簡単なものではない。通常の航空機で爆撃することや何もしないことはより望ましくない。無人機は正統な防衛手段であり、簡単には終わらない困難な紛争でたちの悪い敵に対処するのに必要である。

出 典:James Andrew. Lewis ‘Drone Strikes: Complicated but Necessary’ (CSIS,
July 5, 2016)
https://www.csis.org/analysis/drone-strikes-complicated-necessary

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