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2016年7月29日

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米大統領選の民主党全国大会最終日の28日、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が、大統領候補としての指名を受諾し、「私たちは一緒の方が強い」と連帯と協力の重要性を強調した。指名受諾演説では、11月の本選で戦う共和党のドナルド・トランプ候補(70)への批判を次々と重ね、問題を解決できるのは「自分だけ」などと言うトランプ氏は信用できない、「ツイートでひっかけられる人に、この国の核兵器を安心して託せない」などと述べた。

娘のチェルシー・クリントンさんに「私の母親で英雄、次の米国大統領です」と紹介され登壇したクリントン氏は、場内総立ちの大歓声に何度も感謝した上で、夫ビル・クリントン元米大統領について、「45年前に大学の法律図書館で始めた会話が、今でもしっかり続いています」と述べた。続けてオバマ大統領やバイデン副大統領の指導力と友情、ミシェル・オバマ夫人の支援、さらには最後まで予備選を戦ったバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)の問題意識や熱意に感謝した。

クリントン氏は演説冒頭でサンダース氏の支持者に「皆さんのテーマは私たちのテーマです」と約束。「進歩主義」の課題を実現するため協力しようと、支持を呼びかけた。

クリントン氏は続けて、党大会が開かれているフィラデルフィアが米国の独立宣言の場所だったことを念頭に、「建国の父」たちは英国王に対抗するには「みんな一緒の方が強い」と気づいたのだと指摘した。「Stronger Together(一緒の方が強い)」は、クリントン陣営の選挙スローガン。

クリントン氏はさらに、トランプ候補の指名受諾演説が国民の恐怖と分断を煽るものだったとして、フランクリン・ルーズベルト大統領の有名な言葉を引用し、「恐れるべきは恐怖そのものだけだが、私たちは恐れていない。これまでもいつもそうしてきたように、挑戦に立ち向かいます」と強調した。

加えて、「問題を直せるのは自分ひとりだけだ、などという人の言葉を決して信じてはいけない」と、トランプ氏を強く批判。「アメリカ人は決して、自分にしか直せないなどと言いません。アメリカ人は『みんな一緒に直そう』と言うのです」と強調し、アメリカは権力を一手に握る権力者から独立してできた国だと指摘した。

クリントン氏は「ほかの人とは違って」自分は公職を長年経験してきたが、自己宣伝はあまり上手ではないので、「建物に自分の名前を貼りつけたりしていない」と、さらにトランプ氏をあてこすった上で、努力して生活を築き、社会参加の重要性を自分に教えた両親を紹介。

その上で、教育機会拡大や障害者の社会参加、医療充実、温暖化対策、労働者支援、女性の権利拡大、性的少数者や障害者の権利拡大、適切な銃規制、国家安全保障など様々な課題が大事だと考える人は、「Join us!(一緒にやりましょう!)」と繰り返し促した。

クリントン氏は、「私も含めてみんな前は、ドナルド・トランプが本気であんなひどいことを色々言っているだなんて、信じられなかった。テレビの娯楽として言っているのだと思っていた」と認め、「しかし今では、選択肢は明らかです」と強調。「アメリカの物語の新章が今日始まります。世界中が注目しています。みんな一緒に愛する子供たちと国のため、より良い未来を作りましょう。そうすればアメリカはさらに偉大になります」と呼びかけ、大歓声を浴びた。

大会ではこれに先駆けて、イラクで戦死したイスラム教徒の米兵の家族が登壇し、「あなたは何も、誰も犠牲にしていない」とトランプ氏を批判。「そもそもドナルド・トランプは憲法を読んだことがあるんだろうか?」とイスラム教徒や少数者や女性を侮蔑し続けるトランプ氏を非難し、会場はスタンディングオベーションでこれに応えた。

またアフガニスタンにおける米軍司令官だったジョン・アレン将軍は、複数の米軍経験者と共に登壇し、クリントン氏は全軍の最高司令官としての資格十分だと太鼓判を押した。

(英語記事 US election: 'We are stronger together' says Hillary Clinton)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36921364

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