田部康喜のTV読本

2016年8月6日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 日本の首相経験者が初めて逮捕された、ロッキード事件から40年が経つ。受託収賄罪と外国為替管理法違反の容疑で、田中角栄が逮捕されたのは1976年7月27日である。

Getty Images

 ロッキード社から田中に渡った5億円は、全日空が民間機トライスター機を採用する見返りだった、とする田中の裁判は死によって最高裁の上告の結論はでなかった。しかし、共犯とされる秘書の裁判は最高裁で有罪が確定しており、事件は終結したというのが常識であった。

 そしていま、「角栄ブーム」である。石原慎太郎の小説「天才」がベストセラーになり、角栄の語録なども出版されている。

 未解決事件シリーズは、第1部(7月23日)と第2部(同日)で再現ドラマによって、事件を振り返り、第3部「日米の闇 40年目のスクープ」(7月24日)のドキュメンタリーによって、いよいよ事件の真相に切り込んでいく。

 ロッキード社から日本の政財界に流れたカネは3つのルートによる。丸紅を通じて角栄に流れた「丸紅ルート」と、全日空を通じて政府高官に流れたとされる「全日空ルート」そして、戦中からの右翼の大物であり、ロッキード社の代理人だった児玉誉士夫を通じた21億円のルートである。児玉ルートは当時、まったくといってよいほど解明がなされなかった。

 今回の番組によるスクープは、これまで秘匿されていた資料や日米で約100人の証言からロッキード社が日本の政財界に流された資金の目的は、民間機のトライスターの売り込みにあったのではなく、対潜哨戒機のP3Cと早期警戒機のE2Cが焦点だったことを明らかにしたことである。

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