赤坂英一の野球丸

2016年8月3日

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 例えば西武・渡辺久信SD(シニア・ディレクター、元監督)は投手時代、根本氏からこんなふうに説明されたそうである。

 「下心のある連中がおまえにご馳走しようとするときは、『渡辺さん』と呼ぶだろう。それでごっちゃんになったら2度目は『渡辺くん』だ。3度目は『ナベちゃん』。その次はもう『ナベ』と呼び捨てだよ。そうやって、選手を取り込むのがやつらの手なんだ。だから、ごっちゃんになるな。ご馳走されそうになったら、その場にカネを置いてでも逃げろ」

ごっちゃんにだけはなるな

 高校や大学を出たばかりで、まだ裏社会のことなど知らない選手が根本氏にこう言われたら、相当強烈な印象を受けるに違いない。渡辺SDものちに自分が二軍監督に就任すると、真っ先に「ごっちゃんにだけはなるな」と厳しく指導するようになったという。

 翻っていま、巨人で問題になっている野球賭博などの事案を検証すると、やはり最初は選手が「ごっちゃん」になるところから始まっている。NPBや球団が危険な人物から選手を守るべく防御策を講じているのは大変結構だが、そういう人物の誘いをきっぱりと拒絶しろと、ふだんから選手を教育しておくことはもっと大切だろう。それも型通りに訓示を垂れるだけでなく、鼻っ柱の強い選手の身にしみるよう、根本氏みたいな強面の教育係がしっかり教え込むことが必要ではないか。

 ちなみに、清原元選手が西武の若手だったころ、早く退寮したいと直訴すると、根本氏はこう言ってにべもなくはねつけている。

 「おまえを寮から出すと社会の迷惑になる」

  
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