2024年4月19日(金)

大澤亮のキャリアアップ術 ~ 40歳で後悔しないためのキャリア選び~

2016年8月4日

 そこでは、その分野でのハードスキル、例えば経理・財務であれば簿記等の知見は求められますが、そのスキルは、達成するための必要条件でしかありません。ハードスキルのような「わかりやすいスキル」は、ほとんど社外で学ぶ必要があるものですが、社外のスクール等で学んで取得したスキルは、言い換えれば、誰でも一定時間と労力をかければ取得できるスキルとなり、差別化がしにくいスキルです。

コモディティー化が進むスキル

 「コモディティー化が進んでいる」、と言っても良いでしょう。むしろ、そうした目標の達成のために必要なスキルは、以下のような「ソフトスキル」です。

 ・人を巻き込んだり、説得したり、交渉したりと、人とのコミュニケーション能力

 ・必要な情報は何かを考え、Webや書籍、インタビュー等から情報を収集、編集できる力

 ・どうしたら目標を達成できるのか、本質を見極め、集めた情報を基に考えられる力

 ・何度トライしても諦めずに継続できる力

 目に見えない、わかりにくいものなので、「え? これがスキル?」と思われるかもしれませんが、これらも立派な、差別化できるスキルと言えるでしょう。

 会社の人事評価でも、評価項目はソフトスキル関連のものが重視される傾向にあります。筆者が在籍していた、ともすればハードスキルが重視されそうなコンサルティング会社(ドリームインキュベータ)でも、人事評価での評価項目は、もちろん「戦略策定力」などコンサルティング会社には必須なハードスキルもありましたが、人間力、営業力、実現力等ソフトスキルも多くあったように記憶しています。

 念のためお話しておくと、わかりやすいハードスキルは必要ない、と言っているのではありません。ある程度できることが当たり前となっていくので、ソフトの部分で差別化すべき時代になってきている、ということです。では、少し前に流行り、今でも書店でもベストセラー書籍として並んでいる「問題解決」や「ロジカルシンキング」はどうでしょう?


新着記事

»もっと見る