世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年8月11日

 オバマ米大統領は、7月8日付の英フィナンシャル・タイムズ紙に、論説を寄せ、NATO首脳会議に向け、かつ英国のEU離脱を踏まえ、欧米民主主義陣営の団結を呼びかけ、団結すれば勝利する、と論じています。オバマ大統領の論旨は、次の通りです。

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NATOにとって重要な時

 今は、冷戦後、大西洋同盟にとって最も重要な時かもしれない。オーランド、パリ、ブリュッセル、イスタンブールでIS(イスラム国)のテロ攻撃があった。アフリカ、シリア、アフガンの紛争は難民の波を欧州に送っている。ロシアのウクライナ侵略は自由で平和な欧州のビジョンを脅かしている。英国のEU離脱は欧州統合の将来に疑問を提起している。

 ワルシャワでのNATO会合では、NATO諸国が政治的意思を奮い立たせ、問題に具体的に対処するコミットメントをすべきである。英国とEUは秩序だった移行に合意するだろう。英EU関係は変わるが、変わらない側面も想起する価値がある。米英間の特別な関係は続くだろう。英国がNATOの最も有能なメンバーの一員であり続けることに、私は何の疑問も持っていない。

 同様に、米国にとりEUは不可欠なパートナーであり続ける。米EU投資・貿易関係は世界最大であり、米国の世界との関与の要石であり続ける。英国のEU離脱が不確実性をいくらか作り出したが、我々の繁栄は岩のように固いNATOを基盤に続いて行くだろう。ワルシャワで我々は、すべてのNATO同盟国を守るとの条約5条の義務を再確認しなければならない。また、中・東欧の同盟国の防衛を強化し、サイバー攻撃を含む新しい脅威への強靭性を高めるべきである。EUとNATOの安保協力を深め、ウクライナへの支援を増やす必要がある。ロシアとの建設的な関係にはオープンであるが、ロシアがミンスク合意を完全に履行するまで、制裁は維持されることに合意すべきである。

 NATO域外では、もっと世界の安全保障のために、特に欧州の南でより多くのことをやらなければならない。ISや難民を搾取する犯罪組織の問題がある。私は今週アフガンの駐留米軍のレベルを維持すると決定したが、これはアフガン部隊の訓練というNATOの任務に同盟国も協力することを奨励する。
最後に、NATO諸国は共同防衛にもっと投資すべきである。NATO諸国の防衛支出は減少から増加に転じてきているが、この進歩は維持されるべきである。

 大西洋同盟は70年間成功してきた。一緒にやることでもっと安全になる。我々は単に軍事的な同盟国ではない。我々は民主主義などの共通の価値で団結している。過去70年の教訓は、我々が団結し、民主主義の価値に忠実であれば勝つということである。

出 典:Barack Obama ‘America’s alliance with Britain and Europe will endure’ (Financial Times, July 8, 2016)
https://next.ft.com/content/ededcb24-4444-11e6-9b66-0712b3873ae1

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