2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2016年8月4日

都知事選の投票率の推移

 今回の都知事選の投票率は59.73%となり、投票日前日に東京都心では20年振りとなる大雪に見舞われた2014年2月の前回都知事選の投票率46.14%を13.59%ポイント上回る大幅な上昇となった。

 戦後の都知事選の投票率の推移について図4により見てみると、1947年4月5日に行われた初の公選都長官選挙(同年5月、地方自治法施行により都知事に移行)で61.7%を記録した後、投票率は趨勢的に上昇を続け1971年4月11日の戦後7回目の選挙で72.4%となりピークを付けた。それ以降、投票率は下降を続け1987年4月12日の第11回目の選挙では最低の43.19%となった。しかし、その時を底として趨勢的に投票率は回復し現在に至っている。

図4 投票率の推移
(出典)東京都選挙管理委員会資料をもとに筆者作成
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投票率と高齢化との関係

 次に、しばしば指摘される高齢化率が高い自治体ほど投票率が高くなるという関係が東京都知事選においても存在するのか確認してみる。そもそも、後で見るように、投票には、もし投票に行かなければ実現できたであろう選択肢(レジャーが代表的)が存在するため、そうした未実現の選択肢から得られたであろう満足度を金銭換算した金額を投票にかかる目に見えないコスト(機会費用)として考えるのが(少なくとも経済学的には)一般的である。一般的にはこの機会費用は高齢者ほど低く、また自由時間も高齢者ほど相対的に多く保有するため、投票率が若い世代よりも高くなるものと考えられる。


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