世界の記述

2016年10月2日

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宮下洋一 (みやした・よういち)

ジャーナリスト

1976年、長野県生まれ。18歳で単身アメリカに渡り、ウエスト・バージニア大学外国語学部を卒業。その後、スペイン・バルセロナ大学大学院で国際論修士、同大学院コロンビア・ジャーナリズム・スクールで、ジャーナリズム修士。スペインの全国紙「エルペリオディコ」で記者経験後、南仏ペルピニョンとバルセロナを拠点にするフリー・ジャーナリストとして、欧州に止まらず、世界各地を取材し、月刊誌『世界』(岩波書店)、『文藝春秋』(文藝春秋)等で、報道記事やルポルタージュを発表している。共同通信・特約記者を兼務し、フランス語、スペイン語、英語、ポルトガル語、カタラン語を話す。著書に、『卵子探しています』(小学館)などがある。

 昨年1月にパリで起きた週刊紙「シャルリー・エブド」襲撃テロを発端に、同年11月13日に同市内と郊外を襲った同時多発テロ、今年6月13日の警官殺害事件、7月14日に南仏ニースで発生したトラックテロ、同月26日の北部ルーアン近郊で起きた教会立てこもり事件とフランス国内ではテロが立て続けに起きている。

軍備増強も現れない成果

厳戒警備態勢が長引き、警備する軍人の姿は町に溶け込んでいる(Getty Images)

 これら一連のテロによる死者数は、合計で234人に上り、この1年半あまりで、フランスは史上最悪の悲劇に見舞われた。そんな中、フランスの内務省や国防省は、警備体制の限界に頭を悩ませており、国民は、成果が出ないテロ対策への不満を抱えている。

 フランソワ・オランド大統領は、パリの同時多発テロ以降、民間予備役の増強を進めてきたが、ニースのテロ事件を受け、7月20日、さらなる補強を決定。「すでに1万2000人の予備役が憲兵隊と警察に加わったが、これを(月末までに)1万5000人に引き上げる」と発表した。

 未経験の予備役志願者の対象年齢も、これまで30歳までであったのを、40歳までに広げた。

 南仏ペルピニャンで、郵便局長を務めるジャンクリストフ・ブレーズ氏(42)は、「憲兵隊から、急きょ、5年前に辞めた予備役への復帰を求められている」と示唆。「ただ、拳銃は携帯するが、使い方さえ知らない」と述べ、万が一の準備や訓練が備わっていない事実を嘆いた。

 闇雲に軍や警察を増強しようとするフランスだが、オランド大統領の感情論が先立っていると非難する声もある。

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