赤坂英一の野球丸

2016年8月17日

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試合に出続けることが大事

 「ただ、これからもそういうバッティングを続けるには、もっともっと試合に出ることが必要でしょう。落合(博満・現中日GM)も言っていましたが、打者はトシを取れば取るほど、数多くの試合に出たほうがいい。これから老け込まないようにするには、休み休みプレーするのではなく、ずっと出場を続けることが大切です。イチローなら40歳ぐらいで衰えたりはしませんよ。チャンスさえ与えられれば、まだまだ活躍できるはずです」

 新井さんにそういう話を聞いて2年たった今年、イチローは日米通算でピート・ローズ氏のメジャー記録を抜く4257安打、さらにはメジャーのみでの3000安打をマーク。42歳とは思えないペースでヒットを打ち続けている。新井さんは正しかったのだ。

 ちなみに、イチローという登録名の生みの親も実は新井さんである。仰木彬さんがオリックス監督に就任した1994年、仰木さんがアイデアマンらしく、佐藤和弘(現タレント)の登録名をパンチ佐藤にしようと言い出した。それなら鈴木一朗もイチローにしてはどうか、と新井さんが提案したのだ。当時パ・リーグの他球団にも鈴木姓の選手が複数いたため、少しでも目立たせようと考えてのこと。その新井さんが、今年のシーズンオフにまたイチローの打撃投手をしたらどんな感想を話してくれるか、いまから楽しみにしている。

【修正履歴】

1ページ、2段、3段

「きっかけは2014年1月、日本に帰国中のイチローが、王ソフトバンク球団会長、新井さんの3人で食事をしたときのことだった。イチローと王会長とは2006年の第1回WBCでイチローがジャパンの主力選手、王会長が監督を務めて初の世界一となった間柄。新井さんはイチローがオリックスに在籍していた時代(1994~2001年)の打撃コーチで、王さんが監督だったころ(03~04年)のダイエー(現ソフトバンク)、球団会長になってから(07~08年)のソフトバンクでも打撃コーチをしていた、という縁がある。

 そんな3人がそろった会食の席で、「自主トレでぼくのスイングを見てほしいんです」とイチローが王さん、新井さんに願い出た。その場で快諾した王さんが、「じゃあチュウちゃん(お笑い芸人の故・荒井注にちなんだ新井さんの呼び名)、打撃投手をやってあげなさいよ」と話を振って、新井さんも喜んで引き受けたのである。場所はイチローが帰国中にいつも使っている古巣オリックスの施設で、元本拠地球場ほっともっと神戸の近くにある室内練習場だ。新井さんはここから家が近いこともあり、この年のシーズオフには計6度も打撃投手を買って出たという。」

  
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