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2016年8月17日

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ロシア国防省は16日、シリア空爆でロシア軍機がイラン西部の空軍基地を使用したと発表した。ロシアがシリア内戦でアサド政権に対する支援を始めて以来、第三国からシリアを空爆したのは初めてとみられる。

同省によると、長距離爆撃爆撃機のTu22M3と戦闘爆撃機Su34がイラン・ハメダンの空軍基地から出動した。シリアのアレッポとイドリブ、ダイル・アルズール各県内で標的を攻撃したという。シリアの地域調整委員会(LCC)は、空爆によってアレッポ市内とダイル・アルズール県で、それぞれ17人と10人が死亡したと述べた。

米国務省のマーク・トナー報道官は、ロシアによるイラン空軍基地の利用について、「残念だが意外ではない」とコメントした。過激派組織「イスラム国」(IS)打倒に向けたロシアとの協力合意の可能性について質問を受けたトナー報道官は、ロシアとイランの協力関係が合意の可能性を除外するわけではない、とした上で、「(合意できる)段階まで至っていない」と述べた。

モスクワで取材するスティーブ・ローゼンバーグ記者は、ロシアとイランが過去数カ月にわたり、軍事協力の強化について協議してきたと語る。

先週にはロシアがイランとイラクに対し、シリア国内のテロリストたちを標的にしたとする巡航ミサイルの両国の領空通過を認めるよう求めた。

ロシア国防省は、16日の空爆でISや、ISと対抗するジャブハト・ファタハ・アルシャムの戦闘員の「多数」が死亡したと発表した。ジャブハト・ファタハ・アルシャムは先月までヌスラ戦線と名乗っていた。

発表文はまた、武器や燃料が貯蔵された倉庫5カ所や、アレッポやイドリブにある訓練施設を破壊したとしている。シリア東部のダイル・アルズールにある司令部3カ所も空爆したという。

今回の空爆の数日前には、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相が、アレッポ周辺での対IS攻撃協力について米国と合意に近いと示唆していた。

ロシア通信(RIA)は、ショイグ国防相が、「アレッポについてのみの話だが、この苦難に満ちた土地の人が家に戻れるよう、平和実現のため我々が本当に一緒に戦えるようになる計画へと、一歩ずつ近づいている」と述べたと伝えた。

米国は2014年9月以来、ISやジャブハト・ファタハ・アルシャムへの空爆を数百回実施してきたが、アサド政権を支援するロシアと異なり、米国は反体制派を支援している。

16日には、米国を本拠とする人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)が、ロシアとシリア両政府の軍機が国際法に違反して民間地域で焼夷弾を使用したと非難した。ロシア政府は否定している。

HRWは、アレッポとイドリブの反体制派が支配する地域で、今年の6月5日から8月10日かけて焼夷弾を使った攻撃が少なくとも18回あったことを示す写真や映像があるとしている。目撃者や救急隊の証言では、そのうち5回の攻撃で少なくとも12人が負傷したとされる。

(英語記事 Syrian conflict: Russian bombers use Iran base for air strikes

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37103558

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