風の谷幼稚園 3歳から心を育てる

2010年2月4日

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野村 滋 (のむら・しげる)

株式会社コンテンツ・ファクトリー代表

情報誌会社勤務時代に取材で、創立間もない風の谷幼稚園と出会う。その後12年間、風の谷幼稚園の変遷を追い続けている。風の谷幼稚園の教育実践記『4歳の胸のうち』『5歳の誇り』を同社から出版。

今日は鳥2組との対戦。朝からやる気満々でした。
(注:年中児は鳥1組と鳥2組の2クラス。それぞれが赤・黄・青・緑の8人1グループとなって対戦する)
まずは赤グループからです。「絶対勝ってね!」という仲間たちからの声援を受けつつも、2組が1点、2点、3点と点数を重ねていくにつれ、気持ちが負け始める子どもたち。見ている側は「睦ちゃんだけじゃ勝てないってば!」「朋紀走れ! 和希、やる気出しな!」と応援を通り越して少々怒り気味。結果は負け。
そして、続く2回戦目は黄色グループです。相手がボールを持ってマットまで走り出すと、必ず追いかけてなんとか止めようと飛びつく葉の佳ちゃん。ほかの仲間たちもボールを取ろうとだんご状態の中に入っていくのですが、瑞稀ちゃんと翔太くんは口ゲンカ……。「翔太! ちゃんとやってよ!」と瑞稀ちゃんです。
見ている1組の仲間たちは、「そんなこと言ってる間にゴールされちゃうってば! 翔太! ふざけないでよ!」と、身を乗り出して声をふりしぼります。またまた結果は負けです。
負けて戻ってきた黄色グループも含め、みんなに「大事なことは、8人の仲間と力を合わせること。そして、最後まで絶対諦めないこと」と声をかけ、3回戦目は青グループを送り出しました。
鳥1組 学級通信 「おおばこ」より

「絶対諦めない!」という仲間からの力強い言葉。その言葉に奮起し、勝利のために力を合わせて努力していく。

 さて、前回に引き続き「ラグビー」の後編をお届けしよう。今までは8人一組になっての「鳥1組内での戦い」だったが、今回は32人が一丸となって「隣のクラス」である鳥2組と戦う。子どもたちのテンションが上がることはいうまでもない。

 「絶対に勝ちたい!」 そんな気持ちから仲間にも厳しい声が飛ぶ。その声を聞いていると「チームプレーで勝つために果たすべき役割を果たせ」という味方への声援のみだ。どこかの国の国会と違って、敵に向かって本題とは関係ないヤジが飛ぶことはない。

 そして、試合は新たな展開へと進んでいく。再び学級通信を見てみよう。

勝つためには諦めない!

するとこのグループ、どんなにおさえつけられても転ばされても、泣きながら立ち上がってボールへと向かいます。相手におさえこまれると、仲間を呼びパスでボールをつなぎ、3点、4点と点を重ねます。2組も負けずと2点、3点……。いい勝負です。
そして最後はだんご状態の中、「諦めない!」と仲間同士言い合いながらボールを取り、怜那ちゃんがゴール。「やったぁ!」と跳びはねる青グループでした。
続いて緑グループ。あかねちゃんがいつもと違います。ボールだけを見て、取ろう、取ろうとしているのです。「いいぞー! あかね!」仲間たちの応援がさらに力をくれるようです。千桜・十萌・和子・竜治・美里ちゃんはそれぞれがボールに食らいついていき、奎吾くんは、おさえこまれては泣き、美里ちゃんの「諦めないの! 最後まで!」という言葉で立ち上がる――を繰り返します。そんな奎吾くんを見て大空くんは、「奎吾をおさえる相手をはがす」と行動にうつしながら、「奎吾、今だ! 行け!」と助けるのです。

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