BBC News

2016年8月24日

2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会では、廃棄されたスマートフォンなどから回収した貴金属がメダルに使われるかもしれない。

日本経済新聞によると、東京五輪組織委員会は今年6月、メダルに電子廃棄物を使う案を政府に提案したという。

五輪開催都市は、メダル用の金属を鉱山会社から入手するのが通常だが、独自の鉱山資源に乏しい日本は、持続可能な未来というテーマをさらに前進させようとしている。

国際オリンピック委員会(IOC)は五輪開催の方法について厳しい規則を定めており、メダル製造方法もそこに含まれる。

たとえばリオデジャネイロ五輪では、水銀を使わずに抽出した金のみを使用し、銀と銅の3割は使用済み素材から回収したものだった。

電子廃棄物リサイクルの仕組みは?

廃棄されるスマートフォンやタブレットなどの家庭用電子機器には、プラチナ、パラジウム、金、銀、リチウム、コバルト、すずなどの希少金属が微量にふくまれている。自動車や冷蔵庫などの家電でも、鉄や銅、鉛、亜鉛などの卑金属に加えて、上記のような貴金属が使われている。

リサイクル業者や精錬業者は、こうした電子廃棄物や産業廃棄物をトン単位で回収、もしくは購入し、化学薬品を使った抽出作業によって様々な金属を分離回収する。

廃棄物からの金属抽出作業は主に、中国、インド、インドネシアなどの発展途上国で行われる。

2020年用に足りるのか

経済協力開発機構(OECD)資料によると、日本はアジア有数のリサイクル率を達成しているが、これはもっぱらプラスチック、紙、ガラスについてだ。

日経新聞によると、日本では毎年約65万トンもの小型電子機器や家電が廃棄されているが、リサイクル用に回収されるのは10万トンに満たないという。

このため2020年五輪に向けて日本では、外国や個別企業に、貴金属回収の協力を呼びかけることになるのだろう。

どれくらいの金属が必要か

メダルに必要な金属の量は、メダルの大きさと数に左右される。五輪メダルは近年、より大きく重くなる傾向にある。

リオ大会のメダルは過去最大で、重さ500グラム。中心部は厚さ1センチだった。ブラジル造幣印刷局が鋳造したメダルの数は合計5130個。ロンドン五輪用に英王立造幣局が造った4700個を大きく上回った。

2020年東京五輪ではさらに、野球、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィングの5競技が追加されている。

費用は?

メダルに使う金属を現物市場で買うよりも、リサイクル金属を使う方が安上がりかもしれない。

ちなみにあまり知られていないことだが、金メダルはスターリング・シルバー(純度92.5%以上の銀)が主な材料で、銅メダルは赤銅から作られる。

それって少しずるくない?

IOCは金メダルに最低6グラムの金を使用することと定めている。もし金メダルが純金だったら、数千万ドルもの費用がかかってしまうことになる。

金の価値は現在、銀の約70倍だが、2020年には状況が変わっているかもしれないという市場関係者もいる。

シンガポールの貴金属業「シルバー・ブリオン」創業者のグレゴール・グレゲルセンさんは、銀の需要は供給を上回っており、金の採掘量1オンスに対して銀は11オンスしか採掘していないため、世界の銀備蓄量は減りつつあると指摘している。

(英語記事 Japan may use e-waste for 2020 medals

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37171894

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