BBC News

2016年9月5日

国際自然保護連合(IUCN)は4日、世界の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)の最新版を発表した。それによると、頭数が増えたジャイアントパンダは「絶滅危惧種」ではなく緊急度が1段階低い「危急種」にあらためて分類された。一方で、世界最大の霊長類でアフリカ東部に生息するヒガシゴリラが、最も緊急度が高い「近絶滅種」に引き上げられた。

ジャイアントパンダについては、パンダを国獣とする中国による保護・繁殖努力により、頭数が回復。最新調査によると、おとなは1864頭、子供と合わせると2000頭余いると推定される。

IUCNは、「広範な調査の結果、かつての頭数減少には歯止めがかかり、生息数が増え始めている」と指摘し、「中国政府による保護努力は効果的だと確認された」と評価した。

ただし、生息数回復は一時的なものに終わる懸念もあるとIUCNは警告。気候変動によって今後80年間で、パンダが生息する竹林地帯の3割が減少すると予測されている。

「このため過去20年間の頭数回復が再び減少に転じ、パンダの生息数はいずれ減るだろうと予測されている」、「この特徴的な種を守るためには、効果的な森林保護策を継続し、新たに出来する脅威には対応していかなくてはならない」とIUCNは提言している。

米野生生物保護学会の霊長類専門家ジョン・ロビンソン氏はAFP通信に対して、「大変な事態に直面した中国は、パンダ保護で見事な成果を上げた。緊急度が下げられるケースは本当に少ないだけに、保護活動の成功のあらわれだ」と話した。

一方で、密猟の激化にさらされるヒガシゴリラの緊急度は上がった。今では地球上に約5000頭しかいないとみられている。

これで地球上の大型類人猿6種のうち4種類が、絶滅の危機にさらされていることになった。ヒガシゴリラより先に、ニシゴリラ、ボルネオ・オランウータン、スマトラ・オランウータンが「近絶滅種」に分類されている。

IUCNのインガ・アンデルセン事務局長は報道陣に、「今日は悲しい日です。人類は、最も近い親類を絶滅させつつあると、IUCNレッドリストが示している」と話した。

ヒガシゴリラの数は過去20年間で7割以上も減少している。

IUCNレッドリストは、野生動植物8万2954種が掲載されている。そのうち3割近い2万3928種について、絶滅のおそれがあるという。

(英語記事 Giant pandas rebound off endangered list

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37273168

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