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2016年9月7日

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ケイティー・ホープ、BBCニュース・ビジネス担当記者

女性の給料が男性に比べて上がらないのは、女性が男性ほど声高に要求しないからだという通説は、事実と異なる――。英米の大学による調査がこのように結論している。

英ウォリック大学と英シティ大学ロンドン・キャス・ビジネス・スクール、米ウィスコンシン大学による研究が、オーストラリアの労働者4600人のデータを調べたところ、女性は男性と同じくらい昇給を要求しているが、男性ほどには獲得できていないという結果が出た。女性は控えめで男性のように強硬に要求しないから、給料が上がらないのだという説には、「何の裏付けもない」と判明したという。

研究はフルタイム労働とパートタイム労働を分け、それぞれに男女を比較した。これによって初めて、パートタイムかフルタイムかで生じる収入の差を要因として排除したという。

その結果、同じ就労条件で男女を比較したところ、男性の賃上げ要求の方が女性の要求よりもかなえられがちで、その差は25%だったという。

研究報告はさらに、賃上げ要求は上司を不快にさせるから、あるいはステレオタイプな女性観にもとづく「女性らしくない」からという発想で、女性は賃上げ要求をためらいがちだという説には、根拠がないと結論した。

調査結果を分析するにあたって、研究は雇用主と業界の規模、就労者に子供がいるか、資格の有無などを考慮した。

研究は2013~2014年の豪職場関係調査のデータをもとにした。従業員が昇給を要求したか、なぜ要求したか、あるいはしなかったかを体系的に記録しているのは、オーストラリアだけと言われている。

ウォリック大学のアンドリュー・オズワルド教授(経済、行動科学)は、結果は意外だったと話す。

「女性は男性ほど頻繁に昇給を要求しないというのが通説だった。女性はよくそう言い、そう考えていると一般に思われているが、すべての証拠は伝聞で、科学的にきちんとした調査を行うのは非常に難しい」

「純然たる差別」

オズワルド教授は、結果が偏った理由として、昇給を求めたが失敗に終わった男性は他言しないが、女性は「もっと率直に友人に話す」のかもしれないと指摘。

「今回の結果から、女性に対する純然たる差別が行われている要素があると受け入れなくてはならないと思う」と教授は補足した。

「オーストラリアが奇妙なのだという可能性もある。しかし、英国と米国の中間くらいの性質をもつ現代工業経済国だ。なので、オーストラリア独自の結果だと言うのは考えにくいと思う」

調査によるとこのほかに、昇給を求めるかどうかは年齢層によっても違いがあると発見した。40歳未満の男女になると、昇給を要求して成功する割合は同水準だったため、交渉スタイルが年齢によって変化しつつあるかもしれないと研究は指摘する。

報告の共同執筆者のアマンダ・グッドル博士(キャス・ビジネス・スクール)は、「朗報になり得る知見もあった。現代の若い女性は年上の女性たちよりも上手に、自分たちの賃金や労働条件を交渉しており、上級職になってもそれは続くかもしれない」と前向きに評価している。

(英語記事 Women seek pay rises as much as men - with less success

提供元:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-37283462

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