今月の旅指南

2016年9月23日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

神輿渡御の警護役を務める総勢25人の大奴

 東海道の宿場町として栄えた静岡県の島田宿。旅の難所といわれた大井川の東岸に位置し、川越(かわごし)の収入や川止めによる宿代などで、莫大(ばくだい)な富がもたらされた。往時の繁栄の一端に触れられるのが、3年に1度の絢爛豪華な「島田大祭」だ。

 「島田大祭の始まりは、元禄8年(1695)で、今年108回目を迎えます。最終日には、大井神社から御旅所までの神輿渡御に伴い大名行列、鹿島踊、屋台などが巡行。その長さは1・7キロにおよび、先頭が御旅所に到着しても最後尾は神社を出ていないほど。総勢4千人の壮大な隊列になります」と、島田大祭保存振興会の鈴木利明副会長。

 時代絵巻を思わせる行列のなかで、一際(ひときわ)目をひくのが大奴(おおやっこ)だ。左右に差した木太刀に豪華な丸帯を掛け、蛇の目傘を手に街道を練り歩く。島田大祭の別名「帯まつり」は、島田宿に嫁いだ女性の晴れ着姿でのお披露目の代わりに、大奴が丸帯を披露したことに由来する。

 また、5台ある屋台で連日上演される長唄もハイライトの1つ。江戸時代、全国から一流の芸人が島田大祭に招かれた伝統を受け継ぎ、各流派の家元が競演する舞台が目当ての観客も多いという。

 西の京都・大阪と東の江戸の文化が交差する地でもあった島田宿。往時の賑わいを肌で感じてみたい。

●島田大祭
<開催日>2016年10月8日~10日
<開催場所>静岡県島田市・大井神社など(東海道本線島田駅下車)
<問>島田大祭保存振興会 ☎0547(35)3002
https://www.city.shimada.shizuoka.jp/kankou/shimadataisai_105.html

*情報は2016年8月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2016年10月号より

 

 

 

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