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2016年9月23日

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小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

――教育については以前から興味があったのでしょうか。

瀧:小学校の頃に同じように優秀な成績でも、社会に出た後、最終的に伸びる子と、そうではない子がいる。その違いは何なのかなという興味はありました。

5~18歳まで300人の脳を解析

――伸びる子どもについて、どんな研究から傾向をつかんだのでしょうか。

瀧:2つあります。1つは極めてアカデミックなもの。5歳から18歳まで約300人の脳のデータを集めて解析したのです。脳の発達って面白くて、「道をつくる」「使う道は高速道路にする」「使わない道は壊す」を繰り返すのです。それを画像で捉えることができる。道をたくさん使うと、その道は太くなって体積も血流も増える。逆に使わない道はなくなります。

 さらに、年齢によって発達しやすい脳の部位がある程度決まっています。最初は後頭部のほうから、成長するにしたがって前に移動していき、最後は前頭葉です。たとえば運動野は3~5歳で発達のピークが来ます。発達のピークとはどういうことかというと、ネットワークが最も張っている時期。この時期に何か運動を始めると、運動能力が伸びやすいと言われています。オリンピック選手たちに聞くと、だいたいこの時期にスポーツを始めていますよね。こういった脳の画像解析を、ひとつ論文にしました。

――これまでも、「子どもの頃から始めるといい」ということは経験則的に語られていましたがエビデンスは少なかった?

瀧:日本ではこういうデータがなかなかないんです。子どもたちの脳のデータを集めるのは、実はすごく大変で手間もかかる作業なのです。高齢者と違って子どもたちは病院に来ないですから、脳の画像を撮れない。また、子どもたちにとっては暗い部屋の中で画像を撮られるのって、場合によってはストレスのある怖い体験になってしまいます。ですから、ただ画像を撮るだけではなく、最初に30分ぐらい一緒に遊んで仲良くなって、最後は「君たちのおかげで脳の研究が進化します。ありがとう」という感謝状を贈って。そういう綿密な準備も行いました。

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