BBC News

2016年9月22日

米軍は21日、過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)がイラクで、化学兵器を米軍部隊に発射した可能性があると発表した。主要都市モスル近くのカイヤラ空軍基地に駐留する米軍部隊へ発射された砲弾に、マスタードガスが含まれていた疑いがあるという。確認されれば、IS掃討を目的とするイラクの有志連合に対する、初の化学兵器使用となる。

砲弾は米軍から数百メートルの位置に落下した。けが人はなかった。カイヤラ空軍基地には米軍兵士数百人が駐留している。

国防総省は声明で、「9月20日、イラク時間の午後、イラク(カイヤラ)西の空軍基地が間接的に攻撃を受けた。使用兵器の残骸を調べたところ、マスタードガス成分について陽性反応が出た。ロケット砲か迫撃砲と思われる兵器は、不正確で粗雑なつくりだった」と発表した。

成分を除去した後、マスタードガス汚染による症状を示した人員はいなかったという。

「今回の攻撃による任務への影響はなく、基地周辺での配備位置の変更もない」、「われわれはこうした事態に備えて、自軍と提携軍を訓練している」と国防総省は補足した。

BBCのクエンティ・サマビル中東特派員は、イラク政府はこの攻撃について発表していないと説明。ただし、イラクではクルド系戦闘員に化学兵器が使用された事例が20件報告されており、その25%でマスタードガスの使用が指摘されている。

ISはかねてから、イラクとシリアの支配地域で粗雑なつくりの化学兵器を製造していると疑われてきた。

マスタードガスは皮膚や目、気道などを痛めつける。一定量を浴びると死に至る。

イラク第2の都市モスルは2014年6月からIS支配下にあり、近くイラク軍などによる本格的な奪還作戦が始まるものとみられている。

奪還作戦に備えて、米軍はイラク軍を支援している。

(英語記事 US probes 'IS chemical rocket attack' on American troops in Iraq

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37436657

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