BBC News

2016年9月26日

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米国のサマンサ・パワー国連大使は25日、ロシアによるシリア北部の最大都市アレッポへの空爆を「野蛮行為」だとして非難した。

パワー大使は、国連安全保障理事会の緊急会合で、ロシアがシリアでの行動についてあからさまなうそをついたと非難し、ロシアとシリア政府が「中東の象徴的な都市に残ったものを廃墟にしようとしている」と述べた。

一方ロシアは、シリア政府軍がアレッポ市民に犠牲者を出さないようにしながら、テロリストを排除しようとしていると主張した。

ロシアのチュルキン国連大使は、ロシア軍がアレッポ空爆に関与したかには触れなかったものの、シリア和平は「今ではほぼ不可能な目標となった」と述べた。チュルキン大使は武装した反政府勢力が停戦を破ったと非難した。

5年以上に及ぶシリア内戦でアレッポは主要な激戦地となっている。

支援団体「セーブ・ザ・チルドレン」は25日、現地の人道支援関係者の話として、がれきに埋まっていた被災者の約半数が子どもだったと述べた。

ある病院では、24日に治療を受けた負傷者の43%が子どもだったといい、シリアの救助隊員は過去48時間に搬送した負傷者の5割以上が子どもだったと話しているという。

「恐怖新たな極み」

安保理の緊急会合でパワー大使は、シリアのアサド政権を支援するロシアは「ずっと前から人々の苦難を終わりにすることができた」とした上で、「ロシアとアサドは平和の代わりに戦争をもたらした。ロシアとアサドはシリア人の命を救う援助の手を差し伸べる代わりに病院や救助隊員を爆撃した」と語った。

パワー大使はさらに、ロシアのラブロフ外相が平和的な解決を強く支持すると国連で述べていたその瞬間にも、アレッポ東部での空爆が準備されていたと非難した。

パワー大使は、安保理が「誰の責任かをはっきり言い、一致してロシアに止めるよう求める勇気」を持つべきだと述べた。

緊急会合の一部の出席者は、アレッポ近郊で起きた人道支援物資を運んでいたトラックの車列が爆撃された事件で、ロシアが戦争犯罪を犯した可能性があると示唆した。

ロシアは車列攻撃への関与を否定し、米軍の無人機(ドローン)の爆撃か反政府勢力の砲撃によるものだとしている。19日の攻撃では車列の31台のトラックのうち18台が破壊された。

ロシアは、アレッポでの停戦が終わった後に空爆を行った事実はないとしている。

安保理の緊急会合は、アレッポでの空爆激化を受けて、米国と英国、フランスの要請で開かれた。

和平に向けた交渉を仲介する国連のデミストゥラ特使は、攻撃が始まってから少なくとも213人の民間人が死亡しており、犠牲者の多くは女性や子どもだと指摘した。デミストゥラ特使は「恐怖が新たな極み」に達したと述べた。

戦闘行為の停止が開始1週間後の19日に終わった数時間後には、シリア政府軍がアレッポ東部への新たな攻撃を宣言し、住民27万5000人が身動きが取れずにいる同地域への爆撃が始まった。

ロシアのチュルキン大使は住民が避難できる道が確保されていると述べたが、反政府勢力が通行を止めている。

バンカー・バスター爆弾を住宅地に

デミストゥラ特使は、ロシアがアレッポで焼夷弾を使用したことを示唆する報告があると述べたほか、ロシアとシリア政府軍が地下の標的を破壊する目的で使われるバンカー・バスター爆弾を住宅地に落としていると指摘した。

デミストゥラ特使は、「民間人がいる場所で組織的かつ無差別にこのような武器を使用するのは戦争犯罪に値する可能性がある」と述べた。

特使はさらに、国連の人道支援がアレッポ東部に到達できるよう、毎週48時間の停戦を安保理が促すよう求めた。

(英語記事 Syria conflict: US accuses Russia of 'barbarism' in Aleppo

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37469521

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