BBC News

2016年9月27日

11月の米大統領選に向けた第1回テレビ討論会が26日夜(日本時間27日午前)に開かれ、民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官と共和党候補のドナルド・トランプ氏の間で、雇用やテロ対策、人種問題などをめぐり激しい応酬が交わされた。

ニューヨーク州ヘンプステッドのホフストラ大学で行われた討論会で、トランプ氏はクリントン氏が大統領に求められる気質に欠けると述べ、批判を個人的な側面に広げた。

一方、クリントン氏はトランプ氏が納税申告書の公表を拒んできたと指摘し、トランプ氏の反応を引き出そうとした。

今回の討論会はテレビ史上最も幅広く視聴される可能性があり、視聴者数が最大1億人に上るだろうと一部で推測されている。

討論会の直前に発表された世論調査では、両候補の支持率はほぼ拮抗しており、討論会でも、クリントン、トランプ両氏の間に、明らかに緊張した雰囲気が終始見られた。

トランプ氏の攻撃的な発言を受けて、クリントン氏は、「今夜、これまで起きたことの全責任は私にあると言われそうな気がする」と冗談を述べると、トランプ氏は「それでいいんじゃないか」と割り込んだ。

クリントン氏はこれに対し、「そう、それでいいんでしょうね。おかしなことを言い募って、議論に参加してください」と応じた。

討論会の司会を務めたNBCテレビのレスター・ホルト氏から公表されていない納税申告書について質問を受けたトランプ氏は、今は「通常の監査」を受けている最中で、完了すれば公表すると述べたが、ホルト氏は、監査を受けている場合でも公表は可能だと指摘した。

クリントン氏はトランプ氏が連邦税を支払っていない可能性があるとし、その場合は軍や退役軍人、学校、医療サービスを支えていないことになると述べた。

しかし、トランプ氏は、クリントン氏が国務長官時に私用メールサーバーを公務で使用していた問題に関連付け、捜査で除外された私用メール3万3000件が公表されれば、納税申告書を公表すると語った。

クリントン氏はこれまでの選挙運動の足かせともなってきたメール問題への言及に即座に応じ、「失敗」への言い訳はできないとし、責任逃れはしないと述べた。

しかし、クリントン氏は環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる意見について討論が及んだ際も、不愉快な表情だった。

トランプ氏はクリントン氏の夫のビル・クリントン元大統領の政権時に署名され発効した北米自由貿易協定(NAFTA)を批判し、「世界で最悪の貿易協定だ」とした上で、クリントン氏に対し、「あなたは、今度は環太平洋経済連携協定に署名したいと言っているが、NAFTAと同じくらい良くないだろう」と述べた。クリントン氏は昨年、条件付きでTPPへの反対を表明している。

このほかの討論会の主な場面

・トランプ氏は、クリントン氏には大統領に必要なスタミナがないと述べたが、クリントン氏は国務長官時代に112カ国を訪れたと反論。

・トランプ氏は、米国内の黒人が銃暴力のために「地獄の中」で生きていると語った。

・トランプ氏は法と秩序の回復と、警察による職務質問と所持品検査が解決策だと述べた。

・クリントン氏は、警察による黒人射殺事件が相次いでいることについて、刑事司法の改革を約束。

・トランプ氏は、クリントン氏が過激派組織「イスラム国」(IS)やイランに対して弱腰だと批判。

・トランプ氏はクリントン氏を、「あなたは、大人になってからずっとISIS(ISの別称)と戦ってきた」と嘲笑した。

・クリントン氏は、トランプ氏の女性の扱いを批判するなかで、女性を「ブタ、無精者、犬」と呼んで蔑視する発言をしたとあらためて非難した。

オバマ大統領の出生地が米国外だったとの主張をトランプ氏がようやく2週間前に転換したしたことについて、クリントン氏は、「彼(トランプ氏)は人種差別的な言動を長らくしてきた」と批判し、トランプ氏の過去の主張は「感情を非常に傷つける」うそで、オバマ大統領をいら立たせてきた、と語った。

ホルト氏になぜ主張を変えたのかと問われたトランプ氏は、より大きな重要な問題に集中したいためだと述べた。

クリントン氏は、トランプ氏がロシアのプーチン大統領を称賛したりクリントン氏のメールのハッキングを呼びかけたことを非難し、「ドナルドがプーチンに米国人のハッキングを呼びかけたのに本当に衝撃を受けた。これは全く容認できない。(中略)ドナルドは最高司令官になる資格がない」と語った。

(英語記事 Clinton and Trump clash in debate

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37480960

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