ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2016年10月7日

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佐藤達夫 (さとう・たつお)

食生活ジャーナリスト

1947年5月30日、千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)、食生活ジャーナリストの会事務局長。主な著書共著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)、『栄養と健康のウソホント』(一般社団法人家の光協会)、『これが糖血病だ!』(女子栄養大学出版部)、『安全な食品の選び方・食べ方事典』(成美堂出版)、『野菜の学校』(岩波書店)、『新しい食品表示の見方がよくわかる本』(中経出版)ほか多数。講演活動では、「あなたはなぜやせられないか?」「生活習慣病は自分で治す」など肥満や糖尿病のメカニズムや、「健康長寿のための食事と生活」という食生活と健康にまつわる最新情報を、医師の視線ではなく、一般の人にわかりやすいことばで提供する。あるいは、健康を保つ上で欠かせない技術としての「安全な食品の選び方」や「食品表示の見方」あるいは「健康にいい野菜の栄養情報」を、やさしく解説する。また、長年、女性雑誌を編集してきた立場から、「男性の家事が社会を変える」「中高年からの二人暮らし」などのテーマで、男性の家庭内自立を説く。

 かといって「運動をしない代わりに、食べる物を減らす」という、ヒトの本能に抗う生活習慣はまったく楽しくない(ので、長続きしない)。やはり「適度に運動をして、適度に飲食する」という、言い古された基本に戻らざるを得ないのだ。

 ということで「適度な運動」とはどういうものなのかをご紹介する。

有酸素運動を細切れでもなるべく長く続ける

 消費カロリーは基礎代謝【※1】によるカロリー量と運動によるカロリー量に大別できる。実際には、基礎代謝で消費するカロリーのほうが運動で消費するカロリーよりも大きいことが多い。そこで「基礎代謝を増やそう」というダイエット法が喧伝される。たしかにそうなのだが、基礎代謝というのは量的には大きいのだが「変える」ことが非常に困難なのだ。そのため、このダイエット法に挑戦する人はだいたい挫折する。

 ここでは主として運動カロリーについて解説する。運動は有酸素運動と無酸素運動に大別できる。有酸素運動というのは、楽に呼吸をしながら(隣の人と会話をしながら、ともいえる)続けることができる運動。ジョギング、サイクリング、スイミング、ウォーキングなどが代表的。無酸素運動というのは、短距離走、筋力トレーニングなど(一時的に)呼吸をせずに行なう運動のこと(もちろん、息を止めてしまっては死んでしまうので、運動の前後や途中で呼吸はする)。

 結果的に、長時間続けられるのが有酸素運動で、短時間しかできないのが無酸素運動ということになる。トータルのカロリー消費量は、長時間運動したケースのほうが大きくなるので、消費カロリーを増やしてやせよう(あるいは太らないようにしよう)と思う人は、有酸素運動を習慣づけることが大事になる。

 かつては「有酸素運動を30分以上継続すると体脂肪が燃え始める」といわれていたが、現在では「細切れであっても合計の運動時間が長ければ消費カロリーが増える」という説のほうが有力だ。続けて60分ジョギングしても、10分のジョギングを6回やっても減量効果はほとんど同じ、ということのようだ。ビジネスパーソンにとっては後者のほうがやりやすいのではなかろうか。

 運動の強度は強いほうが消費カロリーも大きい。同じ時間であれば、ウォーキングよりはジョギングのほうが消費カロリーは大きい。ただし、ダイエットのためということであれば(つまり肥満者にとっては)ジョギングは「強すぎる」という指摘も出てきた。ウォーキングのほうがとっつきやすいし継続もしやすいので、ジョギングよりはウォーキングをお勧めする。同じ理由で、水泳よりもプールで水中をゆっくり歩くという方法をお勧めする。何よりも「自分が継続できる有酸素運動」が一番である。
 

【※1】基礎代謝
体温を保ったり心臓や肺や脳などの臓器を動かしたりなど、生命を維持するために必要なエネルギー。日本人の場合、成人女性で平均1200キロカロリー、成人男性で平均1500キロカロリー程度だと考えられている。

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