2024年4月26日(金)

古希バックパッカー海外放浪記

2016年10月23日

モスクワ空港の17歳のポーランドの美少女

 私はフランチェスカと話してから、前年に地中海旅行の帰路モスクワ空港で出会った17歳の少女ジェシカを思い出した。私はトランジットのためモスクワ空港で東京行きのフライトを待っていたが、予定時刻まで6時間以上もあり退屈していた。ゲート前のベンチで一人の女性が同様に東京行きのフライトを待っていた。

 私は日本に出稼ぎに行くロシア人女性ではないかと推測。尋ねてみると意外にもポーランドのワルシャワ出身の17歳でイギリスの全寮制の女学校を卒業したばかり。夏休みを利用して東京に留学中の知人を訪問するという。秋にはオックスフォード大学に進学して国際関係論を専攻する計画という。

 ジェシカの両親は医者で病院を経営している富裕層であるが、ポーランドでは優秀な若手の医師は英国など給与の高い外国に出稼ぎに出てしまい病院経営は大変とのこと。彼女はドイツとロシアという強国に挟まれ翻弄されてきた祖国ポーランドが将来どのように国家運営するべきか考えるために国際関係論を勉強したいという強い意志を持っていた。

 ポーランドは民主国家としては未熟であり政党は大衆に分かり易いように極端な政策を掲げるために政権が代わると政策も大きく揺れる。つまり政策の一貫性がないので経済成長が阻害されていると冷静に分析。結局6時間近く彼女と話し込んでしまったがオバマ大統領の外交政策の評価など国際情勢をしっかりと勉強していると感服した。

 毎度のことであるが諸外国の若者と交流して彼らの専門分野・得意分野について話を聞くと知的好奇心を満足させる有意義な時間となることが多い。これに対して日本の若者と会話すると大半は旅行情報の交換か面白ネタ話ばかりで、政治・経済・国際問題などテーマを持った会話にはほとんど興味を示さないのは残念である。

⇒第19回に続く

  
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