2024年4月24日(水)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2016年10月8日

問:中国のバブルはどう思うか?

答:中国は日本の失敗をよく研究しているので、日本の後追いという意味でアドバンテージがあるのではないか。バブル崩壊の時のきっかけとなった、日銀の金融引き締めのようなことは中国は絶対にしないでしょう。今でも、引き続き量的な緩和を続けて。

問:中国の不動産相場をどう見るか? 東京の不動産は高いか安いか?

答:例えば、上海の不動産相場は世界の相場から見れば信じられないくらい高すぎる。賃貸料の収益率が低いのもそうであるが、その他、建築そのものと建築後のメンテナンスの質、また周辺環境も含めた実質的な価値から言えば、東京と比べても相当割高と見ている。ただ、膨大な数の中国人が、上海での生活に憧れて少しでも条件が緩和すれば、上海の不動産を購入する、また、それを期待して投資する人もいる、このような状況は世界のどこにもないから、単純に比較はできない。

問:東京は想像したより、高層ビルが少ないので驚いたが、それはなぜか?

答:もともと東京で高層ビルを立てることができるのは一部のビジネス街だけであり、高層マンションが増えたのはここ10年くらいのこと。それまでは、高層ビルはオフィス、商業中心で、住宅は中低層が中心。土地の所有形態とも関係があるのかもしれないが、個人的には住環境としては、上海のように高層ビルが乱立する住宅街よりも、低中層の住宅が続く住宅街の方がいいと思っている。

問:日本ではメディアに対して言論統制はないのか?

答:中国ほどではないと思うけど、日本でも圧力を受けた言論人がいるという話は聞いたことがある。メディアは許認可業種であるので、政府が口出しをする余地はあるかもしれない。

上記のやり取り、私の独断と偏見のかたまりかもしれないが、日本理解に少しでも役立ってくれたかどうか。本人は一応満足している感じではあった。
ささやかな民間交流といったところである。

 難しいと言われる日中関係、膠着しているかに見える外交、政治、領土問題は、このまま膠着状態にしていただき、その合間に民間は旅と美食と友情を楽しみ、そして商いに精を出したいものだ。

  
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