2024年4月19日(金)

ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2016年10月7日

親子の会話は瞬く間にすれ違うもの

 このように、基準を“見える化”しておけば親子の間はぐっと穏やかになっていきます。とはいえ、親子関係の全ての事がらについて事前に基準を決めておくわけにはいきませんよね。

 感覚の違い、いま気になっている事がらの違い、優先順位のとらえ方の違いなどから家族お互いが、もやもや・イライラすることは避けられません。

 例えば、こんな一コマ。

(母)「最近あの子、空手の稽古に行く時に、見るからに嫌そうにグズグズするのよ。一週間それなりに忙しいから疲れているんだろうけれど。そのくせ『そんな態度しかできないなら辞めなさい』って言ったら、『行く~。辞めない』って言うのよ。あなたから何とか言ってよ」
(父)「一度始めたことは簡単に辞めるのはダメだな。分かった、俺から話してみる」
(父→子)「お前、空手を辞めたいのか」
(子)「えっ、いきなり何? 僕、そんなことないよ」
(父)「ママはそう言っているぞ」
(子→母)「辞めたいなんて言ってないでしょ! なんで勝手なこと言うの!」
(母)「だったらグズグズせずに、時間が来たらすぐに行けばいいでしょう! 毎回声かけるのは私なんですからね。疲れているなら、パパにそう言えばいいじゃない!」
(子)「行こうと思っている時に、ママがいつも勝手に怒ってくるんでしょ!」
(父)「うるさい! 結局なんなんだ、話が分からん!」
(母・子)「分からないなら口出さないで!!」

 なんだかずいぶんいら立っていますね。

 最後は父母子3人ともが怒ってしまいましたが、話がこじれただけで終わったようです。

 どこでこんなことになってしまったのでしょう。

 始まりは、母から父への相談でした。

 子どもが空手の稽古に行くときの様子にもやもやを感じて、叱っているようです。ただ、「疲れているみたい」と子どもを気づかう言葉も口にしています。そして気づかう気持ちからだったはずが、なぜか「~辞めなさい」と子どもに言ってしまっています。

 子どもからすれば、いきなり「辞めなさい」と言われたわけですから、もちろん返事は「辞めない」になりますね。ということで、母は子どもとうまく話がかみあわず、夫に助けを求めました。

 よくありそうな会話ですね。でも、あらためて見てみると、気持ちのすれ違いポイントが満載の会話になっています。


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