BBC News

2016年10月5日

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香港で2014年の民主化デモ「雨傘運動」を主導した学生指導者たちが結成した政党「香港衆志(デモシスト)」は5日、事務局長の黄之鋒氏(19、英語名ジョシュア・ウォン)が4日夜にバンコクでタイ当局に拘束されたと発表した。

声明によると、「雨傘運動」の中心的な存在のひとりだった黄氏は、バンコクのスワンナプーム空港に到着した後、拘束された。黄氏を招へいし、空港で待っていたタイの学生活動家ネティウィト・チョティパトパイサル氏が異常を知らせたという。

タイ政府は、黄氏の拘束を命じていないと説明している。タイでは2014年の軍事クーデター以降、軍部が政権を握っている。

政府関係者によると、黄氏を拘束したのは移民当局だと説明。理由は明らかにされていない。

「デモシスト」によると、ネティウシト氏は1976年10月にバンコク市内の大学抗議集会で学生が大勢殺害された「タンマサート大学虐殺事件」から40年を記念する行事に、黄氏を招いた。チュラロンコーン大学で学生たちに講演する予定だった。

タイ当局は黄氏の訪問について「中国政府から書簡を受け取った」と説明したと、ネトウィト氏は報告している。

黄氏の訪問に先駆けてネトウィト氏は香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストに対して、タイでも「雨傘運動」に似た抗議行動を起こす可能性があると話していた。

黄氏は今年5月、マレーシアでも拘束され香港に強制送還されている。マレーシアでは、中国の民主化について講演する予定だった。

このため今回も香港に送還されるだろうという見方が強い。

タイ政府は近年、中国当局に協力していると批判されている。昨年は中国共産党に批判的な書籍を扱う香港の書店オーナーで作家の桂民海氏が、タイで休暇中に消息を絶ち、後に中国国営テレビに登場。過去の犯罪を告白して出頭したと話す様子が放送されたが、中国政府の要請でタイ当局が強制送還したのだとみなされている。

国連は昨年、国連が難民認定した中国反政府活動家2人を出国させたことについて、タイ政府を非難。2人はタイに不法入国したとして拘束されていた。人権団体は2人が中国に送還されたとみている。

タイ政府はほかにも、中国の新疆ウイグル自治区からタイに脱出した100人近いウイグル族を中国に送還し、国際的に非難された。タイ政府は、国際法の範囲内で行動したと反論した。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、黄氏の拘束について「残念ながら、タイ政府は喜んで中国政府の言うとおりにすると示唆している」とコメントしている。

同団体の中国担当ソフィー・リチャードソン氏は、「黄氏はただちに釈放され、移動が認められるべきだ。表現の自由の行使が認められるべきだ」と述べている。

(英語記事 Hong Kong activist Joshua Wong 'detained in Thailand'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37559706

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