BBC News

2016年10月7日

英ポンドの対ドル相場が7日、アジア時間朝の取引で一時6.1%下落し、31年来の安値を更新した。トレーダーたちは、コンピューターのアルゴリズムが引き金となったのではないかと推測している。

ポンドは一時1ポンド=1.1841ドルと、1985年3月26日以来の安値を付けた。その後、1.24ドルまで回復したが、それでも米市場での水準を1.5%下回った。

アナリストたちは、自動取り引きソフトウェアのアルゴリズムが新聞記事に反応して、急落を招いたのではないかと指摘している。その一方で、いわゆる「太い指トレード」と呼ばれるトレーダーの誤入力など、単純ミスがきっかけだった可能性もある。

豪メルボルン在住のIG証券アナリスト、アンガス・ニコルソン氏はBBCに対して、「何が引き金になったのか正確に知るのは難しい」と話した。

ポンド急落は、英紙フィナンシャル・タイムズが、オランド大統領が英国に対して「厳しいEU離脱交渉」を要求しているとオンライン版で伝えた直後に起きた。

「キーワードやニュースの流れに注目するアルゴリズムが、この記事に反応してポンドを売り始めたのかもしれない。そのため、通常なら取引高が少ない時間帯にポンドが大きく動いているのを検知した、ほかのアルゴリズムも反応したのかもしれない。そこにさらにほかのアルゴリズムも引きずられ、売りが重なり、瞬間的な急落につながった可能性がある」とニコルソン氏は言う。

「今のポンドはとても不安定な通貨だ」

瞬間的な急落からただちに回復したものの、余波は続くかもしれないとシンガポール在住のアナリストは言う。

KGI証券のニコラス・テオ氏は、「なぜ急落したにせよ、その悪影響は無視できないかもしれない。今の為替取引の世界は深く連結して、非常に自動化されている。それだけに、英ポンドほど幅広く取り引きされている商品が、今朝のように急激に大きく動いたとなると、大勢にとって意図しなかった展開が待ち受けているはずだ」と書いた。

メイ英首相が2日に、欧州連合(EU)離脱交渉を3月末までに開始すると発表して以来、ポンドに対する下げ圧力が続いている。3月末までに離脱交渉を開始すれば、英国は2019年半ばまでにEUを離脱することになる。6月末の国民投票以来、具体的な離脱時期が公表されたのは初めてだった。

首相の発表を受けて、英国が移民規制強化を目的にEUを離脱する、いわゆる「ハード・ブレグジット(EU離脱)」を選ぶつもりではないかという懸念から、ポンドの下落が続いている。

(英語記事 Flash crash 'triggered by algorithm' drags pound lower

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37582590

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