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2016年10月10日

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11月8日の米大統領選に向け、民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官と共和党候補のドナルド・トランプ氏による第2回テレビ討論会が9日(日本時間10日午前)、ミズーリ州セントルイスのワシントン大学で行われた。

わいせつ発言で批判されるトランプ氏は、クリントン氏だけでなく夫のビル・クリントン元大統領も標的にした激しい攻撃を展開した。

討論開始から間もなく、司会者を務めるCNNのアンダーソン・クーパー氏が、トランプ氏が「スターなら(女性に)何でもできる」などと発言した録音テープを米紙ワシントン・ポストが7日に報じたことについてトランプ氏に質問。女性に違法な性行為をしたのかどうか問われると、トランプ氏は否定し、クリントン元大統領の過去に問題となった女性関係に矛先を向けた。

トランプ氏は、クリントン元大統領について「政治史上、彼以上に女性を虐待した人物はいない」と述べた。一方、クリントン氏はトランプ氏の発言に反応するのを控えた。

ワシントン・ポストが入手して伝えたビデオは、2005年の米NBC番組収録前に司会者と交わした会話を録音したもの。トランプ氏は既婚女性とセックスしたいと言い、他の女性にキスしたい、女性器をわしづかみすればいいなどと語っていた。

クリントン氏はテープの内容について、「どんな人物なのか物語っている」、「(あらゆる人を侮辱してきた)これまで見てきたトランプそのものだ」とトランプ氏を批判した。

クリントン氏は、「過去にも自分と意見が異なる共和党候補はいた」とした上で、「しかし、彼らが大統領として適格かどうかを疑ったことはこれまでなかった」と述べた。

討論会冒頭、両候補は握手をせずにそれぞれの席に着席。対立的な空気は討論会終了時まで続いた。

トランプ氏は、クリントン氏が国務長官在任中に公務に私用メールアカウントを使っていた問題について話題を向け、「恥を知るべきだ」と批判。クリントン氏は「間違いを犯した。とても申し訳ないと思っている」とし、機密情報を手に入れるべきでない人物に渡った証拠はないと語った。

トランプ氏は、「もし選挙に勝ったなら、司法長官にあなたの状況について調べる特別検察官を指名するよう指示する」と述べた。クリントン氏が「ドナルド・トランプのような気質の人物が我々の国の法律を仕切っていないのはとても良かった」と応じると、トランプ氏はクリントン氏の発言を遮るようにして、「もしそうだったらあなたは監獄に入っている」と述べ、一部の聴衆から拍手と歓声が上がった。

クリントン氏がトランプ氏支持者の半数は「嘆かわしい人々」だと発言したことを取り上げたトランプ氏は、「彼女(クリントン氏)の胸にはすさまじい憎しみがある」と非難した。

クリントン氏は発言をあらためて謝罪した上で、「批判しているのは、彼(トランプ氏)の支持者ではない。彼本人、そして憎悪に満ちた、お互いを敵対視させようとする彼の選挙運動の手法だ」と述べた。

両候補は、シリア内戦やロシアの軍事行動、トランプ氏が公表を拒む納税報告書、テロとの結びつきが指摘される国からの移民に対する「極めて厳格な審査」の実施をトランプ氏が提案していることについても意見を戦わせた。

討論会は聴衆から質問を受け付けるタウンホール形式で行われた。

討論の締めくくりで聴衆から、お互いに尊敬しているところがひとつでもあれば挙げて欲しいと求められ、クリントン氏はトランプ氏の子どもたちを称賛した。一方、トランプ氏は、「褒め言葉だったのか分からないが、ありがとう」と返答した上で、「彼女(クリントン氏)は絶対あきらめない」と、クリントン氏の粘り強さを称賛した。

トランプ氏は、討論会が始まる1時間前、クリントン元大統領の性的違法行為を訴えた女性らを含む、夫妻を非難する4人の女性と記者会見に臨んだ。トランプ氏は、性的違法行為の被害を訴える女性3人について「とても勇気がある」と述べた。

トランプ氏を党候補に選出した共和党内では、わいせつ発言への対応に追われている。発言が録音されたビデオが明らかになった7日以降、党有力者のうち、上下院の議員や州知事を含む少なくとも33人がトランプ氏への支持を撤回している。

(英語記事 Trump v Clinton round two

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37604391

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