BBC News

2016年10月12日

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米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は11日、共和党幹部のポール・ライアン下院議長を「弱くて無能」な指導者だと非難し、党内の分裂をあらためて浮き彫りにした。

トランプ氏は「あらゆる方向から」共和党の攻撃を受けているとし、共和党の背信と戦うのは民主党と戦うよりも困難だと述べた。

トランプ氏がわいせつな発言をしていた2005年のビデオが先週報道されて以来、共和党議員らによる支持撤回が相次ぐなか、ライアン議長はトランプ氏を擁護しないと表明した。

ワシントン・ポスト紙が7日に報道したビデオは、米NBC番組収録前にトランプ氏が司会者と交わした会話を録音したもので、「スターなら(女性に)何でもできる」とし、女性器をわしづかみすればいいなどと語っていた。

しかし、共和党副大統領候補のマイク・ペンス・インディアナ州知事はトランプ氏を強く支持している。ペンス氏はアイオワ州で開かれた党支持者の集会で、「みなさんは絶対やめない、絶対引き下がらない男を大統領候補に指名した。彼(トランプ氏)は戦士、彼は勝者だ」と述べ、9日の討論会でわいせつ発言を謝罪したトランプ氏を称賛した。

公共宗教研究所(PRRI)と米誌アトランティックによる最新の共同世論調査によると、民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官への支持率が49%、トランプ氏への支持率が38%となった。

ホワイトハウスのアーネスト大統領報道官は、ビデオでのトランプ氏の発言は「不快極まりない」もので性的暴行に相当すると非難した。

ロイター通信によると、現在331人いる共和党所属の上下院議員と知事のうち、半数近くがトランプ氏のわいせつ発言を強く批判し、約1割が選挙から撤退するよう求めている。

トランプ氏のツイッター「一斉射撃」

ライアン議長は10日に共和党下院議員たちと電話会議を行い、下院で共和党が多数派を維持できるよう議会選挙に注力すると語った。

トランプ氏はツイッターで一連のコメントを投稿して反撃し、「足かせ」がはずされたので、「これからは自分のやりたいようにアメリカのために戦える」と述べた。

わいせつ発言を批判しているジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)に対してもトランプ氏は、同議員を「口汚い」と攻撃した。マケイン議員が再選を目指す選挙では接戦が予想されている。

わいせつ発言問題は共和党の分裂状態を浮き彫りにしたものの、一部の有力者はトランプ氏を支持し続けると述べている。

ニュージャージー州のクリス・クリスティー知事は、トランプ氏の女性に関する発言を「非常に懸念している」と語ったものの、選挙は「より大きな問題を問うものだ」として支持継続を表明した。

党予備選でトランプ氏と候補指名を争ったテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)は地元テレビに対し、依然としてトランプ氏に投票するつもりだと述べ、クリントン氏は「目も当てられない」と語った。

同じく候補指名を争ったマーコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)も、トランプ氏を支持すると述べた。

米メディア各社によると、共和党全国委員会のラインス・プリーバス委員長は幹部らと10日に緊急の電話会議を行い、トランプ氏を支持し続けると表明した。


<クリントン氏とトランプ氏の最新支持率。BBCが示す両候補の支持率は直近5種類の全米調査の中央値>


(英語記事 US election: Trump lashes out at Republican chief Paul Ryan

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37627728

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