今月の旅指南

2016年10月21日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

棟方志功《門世の柵》 昭和43年(1968)
棟方志功記念館蔵

 「わだば(私は)ゴッホになる」。雑誌「白樺」に掲載されたゴッホの「ひまわり」を見て感動した棟方志功は、思わずそう叫んだという。画家を志した頃の初期の油彩画から、版画に目覚めて独自の世界を切り拓き、「世界のムナカタ」となるまでの軌跡をたどる作品展が大阪で開かれる。

 会場には、棟方の生まれ故郷、青森にある棟方志功記念館および青森県立美術館所蔵の作品約100点が一堂に会する。

 棟方は「板の声を聞き、板の生命を掘り起こす」という志を込め、版画を「板画(はんが)」と称した。昭和11年(1936)、国画会第11回展に出品された出世作で、20図が絵巻状に連なる「大和(やまと)し美(うるわ)し」を発表。その後も宗教を主題とした「華厳譜(けごんふ)」や「二菩薩釈迦十大弟子」など、壮大なスケールの作品群で注目を集めた。戦後、ブラジル・サンパウロやイタリア・ヴェネツィアのビエンナーレ国際美術展でも高い評価を得て、版画界の巨匠として不動の地位を築いていった。

 本展では、谷崎潤一郎が雑誌「中央公論」に連載した小説『鍵』の挿絵となった版画をはじめ、「門世(もんぜ)の柵」など、棟方作品の魅力の一つとなっている華やかに彩色された女人像も網羅。50年におよぶ画業の全貌に触れられる。

●わだばゴッホになる 世界の棟方志功
 <開催日>2016年11月19日~1月15日
 <開催場所>大阪市阿倍野区・あべのハルカス美術館(環状線天王寺駅下車)
 <問>☎06(4399)9050
  URL:http://www.aham.jp/

 *情報は2016年9月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2016年11月号より

 

 

 

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