オトナの教養 週末の一冊

2016年10月20日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

 そこでセネーネが好きなら、小エビの唐揚げも好きに違いないと思ったので、素揚げしたエビのスナック菓子を土産に持っていったことがあるんです。それをみた子供たちは泣き出してしまいました。海岸部は違いますが、内陸部の人びとにとっては、地上の虫よりも、海の中にいる「虫」のようなエビを食べる日本人のほうが衝撃的なわけです(笑)。

――そういった食文化も全く違うアフリカで遭遇した驚きの出来事はありますか?

小川:初めて訪れた頃は、いわゆる賄賂の慣行に慣れませんでした。例えば、路上商人は道路交通法などに違反しているので警察に取り締まられることがありますが、すぐに賄賂の交渉が始まります。2002年当時のレートで2ドルくらい払うと見なかったことにしてもらえます。そこで警官に抵抗して連行されてしまうと、留置所から出してもらうためにもっと多くの賄賂が必要でしたが。

 ただ、2015年10月の選挙でマグリフ大統領が就任してからは、緊縮経済を始め、それまで役人たちが視察と称していた旅行も一切禁止になりましたし、大統領自身も近隣諸国以外には外遊しなくなりました。こうした緊縮経済と共に賄賂に対する取り締りも強化され、現在では賄賂を手渡した方も厳しく罰せられるようになりました。

――アフリカには中国人がたくさん移住していると聞きますが、タンザニアにも多いのでしょうか?

小川:タンザニアの首座都市ダルエスサラームにカリアコーという商業地区があります。そこでは急速なチャイナタウン化が進展しているとよく現地の報道でも取り上げられます。中国人の移住自体は古く中華レストランは昔からありましたが、2000年代半ば頃から中国製品を扱うショップが急増しています。

ーーアフリカでは携帯電話がものすごい勢いで広がっていると聞きます。実態としてはどうでしょうか?

小川:すごいですよ。2014年の統計によると、タンザニアだけで3303万8500台の携帯電話が普及しています。この数字について、よく間違いではないかと指摘されるのですが、タンザニア政府は携帯のSIMカードの登録数で数えているのです。タンザニアの人たちの中には1人が2~3台の携帯を所有している人もいるし、1つの携帯電話にSIMカードが4つ入るものもあるので、複数の通信会社に利用登録しています。利用料はプリペイド式が主ですから、複数の通信会社を利用しても問題はないので。

 また、携帯電話の普及は「エム・ペサ」という送金システムに後押しされた部分もあります。それでまでアフリカでは多くの人々が銀行サービスにアクセス出来ませんでしたが、このサービスの登場により近くのエム・ペサ代理店で現金を電子マネーに代え、エム・ペサ口座にチャージし、相手方の携帯電話番号へ電子マネーを送ることで、お金を安全かつ安価にやり取り出来る手段を手に入れました。最近では、携帯口座の運用に応じてマイクロファイナンスから融資を受けることのできるサービスも登場しています。

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