WEDGE REPORT

2016年10月22日

»著者プロフィール
閉じる

桑田英彦 (くわた・ひでひこ)

ライター/フォトグラファー

音楽雑誌の編集者を経て渡米。1980 年代をアメリカで過ごす。帰国後は雑誌、機内誌や会員誌などの海外取材を中心にライター・カメラマンとして活動。アメリカ、カナダ、ニュージーランド、イタリア、ハンガリー、ウクライナなど、海外のワイナリーを数多く取材。著書に『ワインで旅するカリフォルニア』『ワインで旅するイタリア』『英国ロックを歩く』『ミシシッピ・ブルース・トレイル』(スペースシャワー・
ブックス)、『ハワイアン・ミュージックの歩き方』(ダイヤモンド社)、『アメリカン・ミュージック・トレイル』(シンコーミュージック)等。雑誌『サファリ』にてカリフォルニアのホテルのコラムを連載中。

やはりハイライトはパープル・レイン・ルーム

 内装にアーチ状のレイアウトを効果的に取り入れたペイズリー・パークは、ロサンゼルスの建築家、ブレット・ソーニーが設計した建造物で、総工費は1980年代中期で15億円に及び、完成までに3年の歳月を費やしている。各部屋は「グラフィティ・ブリッジ」や「パープル・レイン」など、プリンスのアルバム・タイトルが各部屋のテーマとして設定されており、ハイライトはやはりパープル・レイン・ルームである。

パープル・レイン・ルームに展示された映画に登場した紫のモーターサイクル( photo courtesy of Paisley Park - NPG Records)

 スクリーンに登場したパープルのモーターサイクル、のちにトレードマークとなる白いクラウド・ギター、数々のコスチューム、アカデミー賞、グラミー賞という映画と音楽がともに獲得したオスカー、そして台本など、『パープル・レイン』関連のメモラビリアが並ぶ。続くサウンド・ステージには紫色のピアノ(ヤマハ製)がセットされており、このピアノをプレイした今年1月のステージが、プリンス最後のペイズリー・パークでのパフォーマンスとなった。膨大な数があるという未発表音源が保管されている地下のストレージ、本人のゴージャスな住居だった2階は未公開である。ペイズリー・パーク・ツアーの料金だが、通常料金は$38,50(70分)、VIPツアーは$100(100分)、VIPツアーは見学できる部屋やスタジオの数などが多くなっている。

プリンスのミネアポリスゆかりの地

 ジェームス・ブラウンやスライ・ストーンなどに大きな影響を受けたプリンスは、彼らのファンク・スピリットにあらゆるジャンルの音楽を自在に取り込み、ミネアポリス・サウンドと呼ばれる音楽を生み出す。このムーブメントの中心的アベニューとなったのが、ミネアポリス・ダウンタウンの中心にある「ファースト・アベニュー」というナイトクラブである。映画『パープル・レイン』の演奏シーンなど多くのシーンがここで撮影された。制作会社はファースト・アベニューに10万ドルを支払い、クラブを25日間クローズして『パープル・レイン』の撮影を行ったのだ。

現在でも連夜賑わうナイトクラブ、ファースト・アベニュー(筆者撮影)

 ミネアポリス観光局ではプリンスの足跡を訪ねる「Prince’s Minneapolis」というツアーを正式にアナウンスしており、ペイズリー・パークとファースト・アベニューはこのトレイルのハイライトとなっている。10月13日にはミネアポリスに隣接するセント・ポールにあるエクセル・エナジー・センターにて、スティーヴィー・ワンダー、クリスティーナ・アギレラ、チャカ・カーン、ジョン・メイヤーなど数多くのスーパースターたちが出演してプリンス追悼コンサートが行われた。

 

 ミネアポリスにはデルタ航空が直航便を就航させており、10月30日には羽田を昼間の時間帯に出発するミネアポリス便がスタートする。ミネアポリス/セント・ポール国際空港は、デルタ航空の米中西部のハブ空港として、中西部の各都市をはじめ、東海岸や南部の都市を結ぶ交通の要所となっている。羽田-ミネアポリス便を利用すると、ミネアポリスから先、北米110都市に乗り継ぎが可能である。ミネアポリスでプリンス・トレイルを満喫したら、ナッシュビルでカントリー・ミュージックの真髄を楽しみ、メンフィスではエルヴィス・プレスリーのグレイスランドやサン・レコードなどのロックンロールゆかりの地を訪ねる。そんな旅もスムーズに実現可能である。

【関連リンク】
「Prince’s Paisley Park」

「Prince’s Minneapolis」

「First Avenue」

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る