BBC News

2016年10月21日

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米大統領選で争うヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏は、最後のテレビ討論会で激しく争った翌日の20日、ニューヨークで伝統のチャリティー晩餐会に出席し、互いに皮肉を飛ばし合った。

大統領選の前に両候補を招き、貧しい人や子供たちのためカトリック教会関係者を招き数百万ドル規模の寄付金を集める恒例の晩餐会で、クリントン氏とトランプ氏はティモシー・ドラン枢機卿を挟んで座った。この「アル・スミス記念財団」の晩餐会では、候補同士が投票日を前に、対立を一旦横に置いて、お互いについてジョークを言い合うのが慣例となっている。

入場した際には両候補とも握手をせず、目を合わせることもなかったが、トランプ氏が発言するために立ち上がった際には、親しげにクリントン氏の肩にポンポンと軽く触れた。

トランプ氏はこの日の約1500人の聴衆は、クリントン氏の集会としては最大規模だろうと皮肉。さらにクリントン氏が投資銀行ゴールドマン・サックスなどウォール街と親しいとされることを念頭に、財界首脳がこれほど集まっているのにクリントン氏が出演料をもらわないのは珍しいことだと述べた。

しかし、クリントン氏は腐敗しきっているのでウォーターゲート調査委から追い出されたと、すでに広く反証されているネット上の流言をもとに皮肉を言うと、参加者はトランプ氏にブーイングを浴びせた。

さらに、クリントン選対関係者がメールでカトリックを批判したとされるメール流出問題を念頭に、クリントン氏がこの場では「カトリックを憎んでないふりをしている」と述べたトランプ氏に対しても、ブーイングが起きた。ほとんど終始一貫、笑顔で自分への皮肉を受け流していたクリントン氏も、この時は真顔になった。

トランプ氏は、隣に座っていたメラニア夫人が7月の共和党大会で行った演説が、ミシェル・オバマ夫人の盗用だと非難された問題にも言及。

「ミシェル・オバマが演説すると、みんな大喜びだ。素晴らしい、最高だと言われる。僕の妻のメラニアがそっくり同じ演説をすると、みんな非難ごうごうだ」と述べたこの部分が、トランプ氏のジョークの中でも特に歓迎されたものだった。

ほかにトランプ氏は、「ゆうべ僕はヒラリーをいやな女と呼んだが、こういうのはみんな相対的なものだ。ヒラリーが延々とだらだらしゃべるのを聞いていたら、ロージー・オドネルはそう悪くないと思えてきた」と発言。人気コメディアンで司会者のオドネル氏とトランプ氏は、長年にわたり互いを非難し舌戦を繰り広げてきた。

トランプ氏はさらに、「このイベントの前にヒラリーが教会で告解したと聞いたけど、神父が彼女の犯した罪を尋ねると、大変だったそうだ。覚えていないと39回も言ったんだって」とも皮肉った。

続いて立ち上がったクリントン氏は、「次は初の女性大統領になるか、ツイッターでシェールと戦争を始めた初の大統領になるか、どちらかです」とトランプ氏をからかった。

さらに、トランプ氏が美人コンテストの主催者として女性の容姿を採点してきたことを念頭に、トランプ氏は自由の女神像を見て希望の灯りだと思うのではなく、「4点」だと思うのだろうし、髪型を変えてたいまつと銘盤を持つのを止めれば「5点かも」と言うのだろうと述べた。

クリントン氏はさらに、トランプ陣営の選対本部長が次々と交代したことを踏まえて「討論会を3回もやって、ドナルド・トランプがしゃべるのを横でずっと聞いていなくてはならなかったので(中略)彼のどの選対本部長よりも長いこと、ドナルド・トランプの隣に座っていたことになる」と皮肉った。

また、トランプ氏の主治医が非常におおざっぱな診断書を公表したことや、ロシアのプーチン大統領と親密だと言われているため、「ドナルドは本当に馬みたいに健康なんですよ。ご存知でしょう。ウラジーミル・プーチンが乗り回してる馬ですけど」と述べた。

そして「あなたの演説を聞き終えたので、次に(トランプ氏の副大統領候補の)マイク・ペンスが、あなたはそんなこと言っていないって否定するのを楽しみにしている」と述べ、ペンス氏がトランプ氏の火消し役になっているとされることをあてこすった。

さらに、トランプ氏が討論会の前にお互いに薬物検査をしたらどうかと提案していたことを念頭に、「(討論会前に)私が何か増強剤を使うかもしれないと、ドナルドが思っていたのがすごく嬉しい。使いましたよ。『予習』って言うんですよ」とクリントン氏は釘を刺した。

(英語記事 US election: Clinton and Trump trade barbs at Al Smith dinner

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37725764

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