BBC News

2016年10月24日

仏当局は24日、英仏海峡近くにあるカレーの移民キャンプの閉鎖に着手した。現地には1200人以上の警官など当局者らが集まっている。

当局によると、「ジャングル」と呼ばれる移民キャンプには約7000人が劣悪な環境下で生活している。

フランス各地にある難民受け入れセンターに移る手続きを行う場所には、数十人の移民が早朝から列を作った。

しかし、英国への移住を依然希望する人が多いなか、一部の移民が移転を拒否するとの懸念がある。週末には移民と当局者との間で衝突が数回起きている。

英国はカレーの移民キャンプから、保護者のいない未成年者の移民の受け入れを始めた。キャンプにはこのような未成年者が約1300人いると推計されている。

英国では、議会で今年可決された「ダブス修正」と呼ばれる法改正によって、英国は保護者のいない未成年移民の受け入れが可能になり、最初の移民の集団が先週到着した。

慈善団体は、キャンプ内の未成年移民への聞き取り調査や人選を通じて、仏当局の手続きを支援している。

手続きは午前8時前後に始まった。現地で取材するBBCのサイモン・ジョーンズ記者によると、開始4時間前から人々が列を作ったという。

ジョーンズ記者によると、多少の混乱はあるものの、大多数の人は明るい面持ち。しかし、あるスーダン人男性は、「我々の夢は終わった」と叫んだ。

手続きを待つ列は、家族と一緒かひとりか、保護が必要かどうかによって分けられている。

手続き終了後、フランス各地の収容施設に移動し、難民申請ができるようになる。申請をしなかった場合には強制送還される可能性がある。

フランス国内の施設ではカレーから移転する移民のため約7500床が準備されている。

25日からは、重機を使ったテントなどの撤去が始まる。3日間の作業が予定されている。

仏内務省は、「力による行使は避けたいと考えているものの、移民が撤退を拒否したり、NGOが問題を起こしたりした場合には、警察が介入する必要が生じるかもしれない」と述べた。

キャンプに滞在するアフガニスタン移民のカルハジさんは、AFP通信に対し、「我々を力づくで撤去させるしかない。自分たちはイギリスに行きたい」と語った。

しかし、スーダン出身のアッバスさんは、「とてもうれしい。ジャングルはもううんざりだ」と語った。

「ジャングル」では、移民たちが悲惨な状況下で生活し、暴力事件が相次いだ。主にアフリカや中東からやってきた移民たちは英国に向かうトラックに乗り込もうとしては、運転手や警察と衝突した。

カレーの港に向かう主要道路沿いで建設が進む総延長1キロの壁は、英国が建設費用を負担している。壁は密航者を抑止する目的で建設されている。

先月始まった壁の建設は今年末までに終了する予定。

カレーの移民キャンプは欧州全体の移民危機のほんの一部だ。

2015年には100万人以上の移民が欧州に到着。多くはシリアの内戦から逃れてきた。欧州各国は、移民流入への対策や、移民の定住をどう進めるかについて欧州連合(EU)内で浮き彫りになった意見対立への対処に苦慮している。

今年3月にはEUとトルコの間で、トルコ経由でギリシャに渡航しようとする移民の流れを止める対策で合意した。同時に、ギリシャからさらに北に向かう陸上ルート上にあるバルカン諸国も相次いで国境を閉鎖した。その結果、いわゆる地中海東部ルートを通る移民の流れは減少した。

しかし、エリトリアやソマリアなど東部アフリカ諸国や、ナイジェリア、ガンビアなど西部アフリカ諸国からの移民はリビアからイタリアへの渡航を試みている。

一部の移民が欧州で経済的な機会を得るのを目的としている一方、戦乱や混乱、独裁的な政権から逃れてきた人々もいる。

<用語について> BBCは、亡命申請の法的手続きを終えていない、移住中の人すべてを「移民」(migrants)と呼んでいる。この中には、戦争で引き裂かれているシリアのような国を逃れて移動し、難民認定される可能性の高い人たちも含まれる。また、各国政府に「経済移民」と分類される可能性の高い、より良い職業や生活を求めて移動している人たちも、「移民」に含まれる。

(英語記事 Calais migrants: France begins to clear 'Jungle' camp

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37748450

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る