WEDGE REPORT

2016年11月1日

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宮田拓弥 (みやた・たくや)

Scrum Venturesゼネラルパートナー

日米両方で起業し、それぞれGoogle、mixiに買収された経験をもつ。mixiのアライアンス担当役員を経て、2013年にシリコンバレーでScrum Venturesを創業。
 

 テスト車は、速度規制を守り、黄色信号ではちゃんと止まるため、多くの体験者は少し運転が遅いと感じるようだが、今のところ大きな問題はなさそうだ。しかし、まだ苦手な状況(橋:周りにビルなど認識するものが少ない、厳しい天候:雪で車線やセンサーが隠れる、植物:地図データにはある街路樹の葉っぱが季節によっては散っているなど)が数多くあり、最終的に目指している「無人運転」が実現するまでには、まだ時間がかかりそうだ。

Uberは米ピッツバーグにて、一般人を乗車させる自動運転のテストを開始した(写真・REUTERS/AFLO)

完全自動運転車に乗りたい人はわずか16%

 技術開発が進む自動運転車だが、その普及には「技術」「規制」「社会」の3つの大きな壁があると言われている。

 「技術」は、今回Uberが一般向けにテストを開始したことに見られるように、自動運転の区分でいうところのレベル3(基本的には自動車任せだが運転者の監視が必要で、緊急時は人間が制御)の技術は一般道においても実用化に近づきつつあるように思われる。レベル3であっても、交通事故の削減、高齢ドライバーの補助、長時間運転時の補助など、ドライバーそして社会にとって大きなメリットがあることは間違いない。

 ただ各社が目指しているのは、ドライバーが全く乗っていないレベル4だ。これは前述のUberのテスト車にあるような苦手なシチュエーションを、テストを重ねることでクリアしていくだけでない。人が運転する車の予想外の行動、歩行者の予想外の行動など、自動運転側の技術の進化だけではクリアすることが難しいポイントも存在する。Uberが次にスタートすると思われる「一般人を乗せてのレベル4のテスト」がどのような形で行われていくのか注目だ。

 「規制」については世界的な条約(ジュネーブ道路交通条約)の問題、各国の法律の問題などがある。技術開発が進む米国においても、州ごとに規制や見解が異なり明確なルールが存在しないという状況が放置されていた。

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