BBC News

2016年10月27日

英仏海峡に近い仏カレーで27日朝、当局による移民キャンプの撤去が進むなか、依然として数百人がキャンプ内に残っているもようだ。

仏当局は、キャンプに残っている人はいないと説明しているが、支援団体によると、保護者のいない未成年者約100人が、寝る場所のないままキャンプに残っているという。彼らは追いつめられた状況にあると言われている。

仏政府の発表によると、24日以来、合計5596人が移民受け入れ施設に移動した。このうち約1500人はキャンプ内にあるコンテナを転用したシェルターに移動した、保護者のいない未成年者だ。また、英国に移動した未成年者234人も含まれる。

キャンプでは作業員らがテントなどの撤去を進めている。キャンプを離れる際に一部の移民が火を放ったとされ、作業は煙が上がるなかで行われた。火は活動家たちによるものという話もある。

パドカレー県のファビエンヌ・ブッチオ知事は作業の目的は果たされたと述べた。

「ジャングル」と呼ばれるカレーのキャンプは、必死に英国を目指す移民希望者が集まって自発的にできた。欧州の移民問題の象徴的存在となった。

支援団体セーブ・ザ・チルドレンのドロシー・サング氏はBBCに対し、数百人の子どもが登録ができず、未成年者のための施設に入れなったと述べていた。「火が燃えさかるなかでキャンプから撤退させられたものの、子どもたちの登録手続きは中止され、コンテナは満員だった。そのため子どもたちは文字通り、行く場所がなかった」。

英支援団体「カレー・アクション」のキャロライン・グレゴリー氏は、保護者のいない未成年者約100人が、撤去作業の始まったキャンプで一夜を過ごしたと話した。

グレゴリー氏はBBCに対し、「私たちはフランス当局に、移民の子どもたちに対応してくれるよう懇願していたが、何も起きなかった」と語った。

移転先の登録に使われている倉庫やキャンプの臨時学校内で、子どもたちが身を寄せることができる場所をボランティアたちが見つけた。

英内務省は、仏当局には「英国に移動が可能か審査を受ける子どもたちも含め、撤去作業の過程において、カレーのすべての子どもたちへの責任がある」と述べた。

アンバー・ラッド英内相は、政治家のシャス・シーハン女男爵の手紙への返答で、25日夜に受け入れ施設への登録ができなかった約100人の、大多数が10代の少年たちがいたことに、「非常に腹が立った」と語った。

キャンプでの火災は、撤去作業が続くなか燃え続けた。

ブッチオ知事は地元メディアに対し、「家から離れる際に火で焼くのは、移民たちの習慣だ」と語った。

火気で爆発したガス缶で、男性1人が負傷したもよう。

キャンプの撤去作業には1200人以上の警官が動員された。キャンプについては地元住民の苦情が多く、英仏海峡トンネルを通るトラックに乗って英国に向かおうとする移民を止めるために多数の警備員が必要となっていた。

仏当局は今週初めからキャンプの住民数千人をバスに乗せ、受け入れ施設などに移動させている。移民たちは受け入れ施設で難民申請をすることができる。

ブッチオ知事は撤去作業は計画よりも早く進んだとし、26日午後には、「我々の任務は完了した。キャンプには移民は残っていない」と述べた。

難民キャンプには推計で6000~8000人が滞在していた。当局は撤去終了後に、キャンプがまた復活するのではと懸念している。


<用語について> BBCは、亡命申請の法的手続きを終えていない、移住中の人すべてを「移民」(migrants)と呼んでいる。この中には、戦争で引き裂かれているシリアのような国を逃れて移動し、難民認定される可能性の高い人たちも含まれる。また、各国政府に「経済移民」と分類される可能性の高い、より良い職業や生活を求めて移動している人たちも、「移民」に含まれる。


(英語記事 Calais 'Jungle' children with nowhere to sleep

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37784371

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