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2016年11月1日

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イラク主要都市モスルを過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)から奪還するため、イラク軍とクルド人治安部隊が10月17日に進攻を開始してからというもの、市の周辺部に暮らす約1万7000人の市民が脱出し、自由を獲得している。

モスルを県都とするニネベ県出身のラカン・ジャウイド・エイドさんは、ISの支配下で2年以上生き延びた。モスルから約30キロ南のカイヤラ市を脱出し、避難所に逃れ、ノルウェー難民評議会に自分の経験を語った。


ダーエシュ(イスラム国の別称)が来る前、私と父親は、石油警察の一員だった。石油生産施設を守る治安組織だ。

父親はダーエシュにとって脅威だったので、即席爆発装置(IED)で殺そうとして失敗した。

そのダーエシュがモスルに入ってきたとき、警官だという理由で父を殺した。私は逃げおおせた。連中は私のことは追ってこなかった。

ISは「ただのひげだ」

うちの村は2年と数カ月、支配されていた。警察や軍にいたと誰かに漏らそうものなら、ダーエシュに殺されていた。

大勢の親友がそうやって殺された。自宅に帰ると、ダーエシュに連れ去られた。

ダーエシュはただのひげだ。モスクの礼拝に全部参加させられる。妻がヒジャブを着ていなければ、自分が鞭で打たれる。向こうの思うままだ。

給料をもらえる人たちは大丈夫だ。けれども私や、陸軍や軍で働いた人たち、給料がない人たちは、パンも買えない。

イラク軍がうちの村からちょうど5キロの地域を解放したので、私は脱出した。軍は村に向かって迫撃砲を撃ちこみ、ダーエシュは反撃していた。それがしばらく続いた。双方が撃っては撃ち返していた。

なので私たちは、イラク軍を待っていた。別の町に行くよう言われたので移動して、避難させてもらった。

そこで私はイラク治安部隊のところへ行って、自分が石油警察の一員だったと話した。最初は信じてくれなかったが、キルクークのダーエシュのことを話すと、受け入れてくれた。手伝わせてもらえるようになった。

「ダーエシュは犬だ」

モスルの中の人たちは、死が近づいていると話す。作戦が長引きすぎると、とんでもないことになると。仕事がない、みんな飢え死にしてしまう。

治安部隊が1~2週間のうちの食料を空から投下してくれなければ、大虐殺がおきると言う人たちもいる。

ダーエシュの連中は犬だ。

自分の町、モスルがダーエシュから解放されるよう願っている。みんなもとの仕事に戻れるよう、首相が手配してくれると期待している。

私はいま、給料ももらえないままここで、テントで暮らしている。正義はどこにいった?

私は家族15人を養わなくてはならないのに、給料がもらえていないんだ。

(英語記事 Death is near in Mosul, says IS survivor

提供元:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-37831896

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