ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2016年11月8日

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小川大介 (おがわ・だいすけ)

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で受験国語の看板講師として活躍。難関中学、国公立大学医学部などへ多数の合格者を送り出す。2000年、さらなる学習指導の理想を追求し、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。著書に『小川式[声かけ]メソッド』(宝島社)、『中学受験 基本のキ!』(共著:日経BP社)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)など。今年10歳になる男の子の父。

 前回は家族のイライラ・もやもやを解消するため、家庭内会議の活用をご紹介しました。

 家族だからこそ起きてしまう気持ちのすれ違いは、感情が先走ったままで話し合ってもうまく解消できないもの。あえて「会議」という場を設定して、冷静に話し合えるようにしましょう。しかもビジネスの場面と同様に、アジェンダを事前に作成して、お互いが何を問題だと感じているのかを「見える化」しましょうという提案です。

 この提案に対しては、「子どもが面白がって参加しそう」「たしかに落ち着いて話し合えそう」といった声を世のパパさんママさんたちからいただいたのですが、一部に「家族のことで『会議』だなんて大げさでしょ」というお声もあったのです。

マネジャー型お父さんの登場

「会議なんてことをしなくても、お互いが意識すればいいだけのこと」

「家族とはいえ、お互い人として尊重しあうのは基本でしょ」

 というご意見なのですが、私が気になったのは、そういうお声をくださった方が「全員お父さん」だったことです。「基本でしょ」という声はお母さんたちからは出てこないのですよね。

 なぜでしょう。なぜお父さんに偏ったのでしょう。

 色々解釈はできるのですが、私には、「マネジャー型お父さん」の姿がくっきりとイメージされました。

 お母さんや子どもを部下として見ているという意味ではないですが、家庭内の意思決定の様子などを伺うと「マネジャーポジションに座っていますね」という印象のお父さんです。

 なぜそうイメージしたかと言えば、子育てや受験学習の相談の場面で、私は、「主人の言うことは正しいと思いますし、できれば私もそうしたいと思っているんです、でも・・・」というお母さん方の声を、毎週のように聞いているからです。

 正論と現実との間で板挟みになってらっしゃる悩みの声です。

板挟みになっているお母さんは少なくないはず。今回のキーワード、「権限委譲」をうまく使うには……(iStock)

 特にここ10年で目立ってきたのが、子育てに参加する意思を示しながらも、実際にはお母さんに対して指揮管理するばかりのお父さんというスタイルです。「イクメン」という言葉の広がりと共に増えてきた印象があります。

 共働き世帯の割合が60%を超えた今、子育て事情は専業主婦世帯が主流だった昔とは違ってきていますが、それでも、日々の子育てについては母親が中心になっているのが現実です。

 さすがに「子育ては君に任せた。僕は働いて家族を支える」というご家庭は少数派でしょうが、父親は子育て方針や習い事などの意思決定にだけ参加して、毎日繰り返される日常の関わりは圧倒的に母親依存というご家庭がまだまだ多数を占めています。

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