江藤哲郎のInnovation Finding Journey

2016年11月19日

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江藤哲郎 (えとう てつろう)

ベンチャーキャピタリスト

 鹿児島県出身。1984年慶應大商学部卒業。同年(株)アスキー入社。86年マイクロソフト(株)設立に参加し、マーケティング部長代理としてWindowsコンソシアム、マルチメディア国際会議等を立ち上げる。

 92年(株)電通入社後、デジタル・コンテンツの開発とビジネス化を推進。2002年から情報システム局でSAPアジア共通会計システムを中国・アジアの30拠点に導入他、国内外の全システム開発を担当。2013年から経営企画局専任局次長として、電通が約4,000億円で買収したイージスとのグローバルIT統合の責任者。

 2015年7月、ワシントン州カークランドにInnovation Finders Capitalを設立。AI、ビッグデータ等スタートアップを日本と繋げる。家族は妻と一男。
 

 私はアジアやアフリカでの例を挙げた。中国は国家を挙げてプロジェクトを受注しファイナンスも付けるので、直接的投資により現地経済は一時的に潤う。と同時に中国人をどんどん送り込んでくる。家族、親戚、友人を呼びよせ中華街が出来るが、ほとんどが中国人で構成され、現地の雇用はあまり増えない。現地社会との交流も少ない。カナダで起きたことはシアトルでも起きるかもしれない。ここから車に3時間乗れば行けるバンクーバーで起きていることは注視したほうがいい、とも付け加えざるを得なかった。

 サンフランシスコとその南部に繋がるシリコンバレーは、近年ITで栄え人とカネが集中した。そのせいで不動産価格が高騰し、サンフランシスコ市内では家賃が払えず借家を追い出された低所得層の人々がアップルやフェイスブックの社員専用シャトルバスを襲う事件が連続し、大きな社会問題となっている。悩めるITの巨人達は、優れた人材とより良い環境を同じ西海岸のシアトルに求めて雪崩れ込んできた。その大きな流れによりシアトルの不動産も上がってきているところに中国勢も買いに来たとなると、建設ラッシュに拍車がかかるだろうが、サンフランシスコと同じ轍は踏んでほしくないと切に願う。

グーグルもビル開発

シアトルのダウンタウンは建設ラッシュ

 左写真は、6th Ave沿いにあるWESTINビル28階のワシントン州政府商務局から見たアマゾン新本社ビル建設風景。三棟からなるビルを新本社とする同社は、毎週200人を採用中。

 また、現在カークランド市に1000名以上収容の拠点を持つグーグルは倍の2000名体制へと拡大中のため、シアトル市内に6階建てのビルを4棟建築すると発表。ビル開発を手掛けるのはマイクロソフト共同創業者ポール・アレン率いるバルカン・グループで、同氏はシアトル最大の地主でもある。

 私が利用しているシアトル中心部でパイクプレイスマーケット近くのコンドミニアム。近辺の部屋のオーナーは中国人の場合が多く、管理会社やAirBnBに提供している。

パイクプレイスまで至近(左)、部屋が面するセカンド・アベニューの向かいもビルを新築工事中(右)

  
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