2024年4月19日(金)

ベストセラーで読むアメリカ

2010年3月17日

 Palin couldn’t explain why North and South Korea were separate nations. She didn’t know what the Fed did. Asked who attacked America on 9/11, she suggested several times that it was Saddam Hussein. Asked to identify the enemy that her son would be fighting in Iraq, she drew a blank. (Palin’s horrified advisers provided her with scripted replies, which she memorized.) Later, on the plane, Palin said to her team, “I wish I’d paid more attention to this stuff.” (p397)

 「ペイリンは北朝鮮と韓国がなぜ2つの国に分離されているのか説明できなかった。FRB(米連邦準備制度理事会)が何をするのかを知らなかった。9/11の時にアメリカを攻撃したのはだれかと聞かれ、サダム・フセインだとたびたび示唆した。(イラクに派兵される)自分の息子がイラクで戦う敵はだれかとの問いには、答えられなかった。(愕然としたペイリンのアドバイザーたちは、暗記するよう想定問答集をペイリンに渡した)後で、飛行機に乗ってから、ペイリンは取り巻き連中に言った。『もっと、こうしたことに関心を持てばよかったと思うわ』」

 2005年に上院議員に就任したばかりで、実績がほとんどなかったオバマが大統領に就任して1年余が経過した。変革への希望に燃えたアメリカ全土を覆っていた当初の熱狂は今や冷め、オバマ政権の支持率も大幅に下がっている。なぜ、オバマ政権の誕生は可能だったのか?
失業率も10%前後で高止まりし、財政赤字は拡大して連邦政府の肥大化も止まらない。現状に不満を抱えるアメリカ国民の多くが、冷静に08年の大統領選を見つめ直すために本書を手にとっている。

 しかし、本書で描かれるのは、あまりにも人間臭く、ふがいない政治家たちの素顔だ。結局は、オバマ以外に相対的にまともな候補が出馬しなかったという現実である。

 


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