2024年4月20日(土)

前向きに読み解く経済の裏側

2016年11月14日

宝石は、祭りの夜店ではなく、一流の店で買うべし

 宝石を祭りの夜店で買う人はいないと思います。夜店にも正直な売り手は多いでしょうが、偽物を売り付ける詐欺師も混じっている可能性があります。それは、祭りの夜店が1回限りの取引であって、偽物を売りつけてしまえば、それで終わりだからです。

 しかし、一流の宝石店は、明日以降もずっと商売をしていくわけですから、1回だけ客を騙して利益を上げても、長期的には信用を失って損になってしまいます。だから買い手としても、「あの店は偽物は売りつけないだろう」と信じることができるのです。

 その意味では、数年前の高級料亭の偽装食材事件はショックでした。評判を最も重視しているであろう高級料亭で偽物を売りつけていたとなると、客としては、何ともし難いわけです。ここは行政に厳しくチェックしてもらい、不正には厳罰を与えていただく必要があるでしょう。

生命保険会社が健康な客だけと契約することは難しい

 日本人は生命保険が好きですから、加入している人も多いでしょうが、筆者は加入していません。色々と理由はありますが、本稿との関係で言えば、筆者が元気だからです。仮に、病弱な人はほぼ全員が生命保険に加入し、元気な人はあまり加入しないとします。保険会社にとっては、来て欲しい人は来ず、来て欲しくない人だけくる、という「逆選択」になるわけです。そうなると、保険料は非常に高くなります。そんな保険に加入したいとは思いません。

 そうなると、保険会社としては、筆者のような人を加入させるために工夫をする必要が出てきます。一つの手段としては、健康診断書の提出を求め、健康度合いに応じて保険料を変えることが考えられます。今ひとつの手段として、団体保険を勧めることです。

 たとえば、筆者の職場の人事担当に向かって、「従業員の8割以上が加入してくれるなら、保険料を市販の保険の半分にしましょう」と持ちかけるのです。それなら筆者の上記の理由はクリアできます。また、保険会社の手間も省けます。

 ここで重要なのは、従業員に占める加入者の割合であって、人数ではない、ということです。通常の営業員は、「50個買ってくれたら半額にします」といった営業をするのですが、生命保険の場合に限っては、「従業員1万人の会社で健康に自信の無い人だけが50人契約した」というのでは、意味がない(保険会社の手間が省けることはメリットですが)からです。


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