WEDGE REPORT

2016年11月14日

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プリーバスvsバノンの側近ナンバーワン争い

 しかし次期政権で遠からず対立が噴出すると見られているのが共和党全国委員長のプリーバス氏と選対委員長のバノン氏による側近ナンバーワンの椅子、ホワイトハウス首席補佐官のポストを賭けた争いだ。首席補佐官はワシントンでは、大統領に次ぐ影の実力者としていわば首相格の要職だ。

 ワシントンの権力は大統領にどれだけ近いか、大統領へのアクセス権をどれだけ持っているかで決まるといっても過言ではない。歴代政権下でもオーバル・オフィス(大統領執務室)にどれだけ近いところに自分の執務室を持てるかで熾烈な権力争いが行われてきた。

 首席補佐官として取り沙汰されている2人だが、考え方はまるで違う。バノン氏は旧来のワシントン政治を非難する戦略を描き、クリントン氏に逆転勝利するのに大きく貢献をした。不法移民やイスラム教徒に対する強硬な方針も同氏の意見が強く反映している。トランプ氏を一時見限った共和党主流派のライアン議長とは犬猿の仲だ。

 一方のプリーバス氏は調整型の穏健な人物。溝が広まる共和党の主流派とトランプ氏の間を取り持つことに尽力し、トランプ氏への忠誠心は誰にも負けないとされる。トランプ氏が当選直後の勝利宣言の際、正面に呼んで発言を許した唯一の人物でもあり、同氏の信任が厚く、それだけにプリーバス氏の首席補佐官への固執ぶりも強いといわれている。バノン氏との権力争いが表面化するのは時間の問題だろう。

 首席補佐官が決まれば、人事選考が本格化するが、政権で最も重要なのは首席補佐官の他、ホワイトハウスでは大統領に毎日国際情勢をブリーフィングする国家安全保障担当補佐官、閣僚では大統領継承順位第3位の国務長官、そして国防長官の4人だ。

 国家安全保障担当の補佐官候補として名前が挙がっているのはフリン将軍だ。国務長官にはニュート・ギングリッチ元下院議長、ボブ・コーカー上院外交委員長、ジョン・ボルトン元国連大使らが有力候補として取り沙汰されている。

 国防長官には、フリン将軍、セッションズ上院議員、スティーブン・ハドリー元大統領補佐官(ブッシュ政権)の名前が挙がっている。またこのほか、財務長官には元ゴールドマンサックスの役員スティーブン・ムヌチン氏らの名前が浮上している。
 
 政権移行の期間はワシントン中が人事のうわさで持ちきりになる。政権入りを心待ちにしてきた人たちは浮足立ち、自薦、他薦を含めトランプ氏周辺に近づこうと動く。悲喜こもごものドラマが連日、メディアで伝えられるのもこの時期だ。

  
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