今月の旅指南

2016年11月25日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 京都市の東端、三方を山に囲まれた盆地に位置する山科区。江戸時代、忠臣蔵で知られる大石内蔵助(くらのすけ)が、討ち入り前に隠棲していた地でもあり、毎年12月14日には「山科義士まつり」が開催される。

「エイ、エイ、オー」と、威勢よく勝ちどきを上げる義士隊

 山科義士まつりが始まったのは、昭和49年(1974)のこと。当時、山科区では急速に宅地化が進んで人口が一気に増えたことから、山科駅前の商店街の人たちが地域住民の連帯感を高めようと考えたのがきっかけだったという。

 祭り当日は、地元住民が扮する討ち入りの装束を身に着けた義士隊が、市街を約6キロにわたって練り歩く。

 出発地点の毘沙門堂は、討ち入り後の赤穂浪士たちの処分について将軍・徳川綱吉から意見を求められた公弁法親王(こうべんほっしんのう)が門跡を務めていた寺院。行列の順路にある東部文化会館の舞台では、「刃傷(にんじょう)松の廊下」や「討ち入り」などの芝居が上演される。義士隊はその後、内蔵助が過ごした住居があった岩屋寺を経て、内蔵助を祭神とする大石神社に至る。ここでの勝ちどきが行列の締めくくりとなる。

 毎年3万の人出で賑わう山科義士まつり。ゆかりの史跡が多く残る山科の地で、祇園通いで世間の目を欺きつつ討ち入りの機会をうかがっていた内蔵助に、思いを馳せてみるのも一興だろう。

●山科義士まつり
 <開催日>2016年12月14日
 <開催場所>京都市山科区・市街中心地(東海道本線山科駅下車)
 <問>山科義士まつり実行委員会事務局 ☎075(592)3088
  URL:
http://www.gishimatsuri.com/

*情報は2016年10月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2016年12月号より

 

 

 

 

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