BBC News

2016年11月16日

英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、政府に計画がなく、閣僚が対立しており、離脱手続きのために3万人の追加人員が必要だとする文書が漏洩され、首相官邸は「内閣府の文書ではない」と否定した。コンサルタント会社デロイトが7日付で作成した「ブレグジット(英国のEU離脱)・アップデート」という文書を、15日付の英紙タイムズが伝えた。

文書は、ホワイトホール(英政府省庁)は500以上のブレグジット関連対策に取り組んでおり、3万人の追加人員が必要になるかもしれないと書いている。

これに対して首相報道官は、デロイト関係者が作成した文書で「その人物は内閣府の要請で働いているわけではない」と否定。作成者は首相官邸に出入りしていないし、メイ首相就任後に政府関係者とやりとりもしていないと述べた。

デロイト社も、この報告書作成のために首相官邸と「接触」したことはないと説明している。

報告書は、ジョンソン外相、デイビス・ブレグジット担当相、フォックス国際貿易相の3人が意見で一致し、ハモンド財務相やクラーク・ビジネス担当相と対立していると指摘。メイ首相について「自分自身で物事を決着するため、決定や詳細を自分のもとに集約しがちだと評判が立ち始めている」ものの、この姿勢を「続けるのは難しいだろう」と書いている。

報告書はさらに、「全省庁がブレグジットから想定される影響と、想定される最悪のシナリオにどう取り組むか、下から意見を吸い上げて計画を策定している。これは必要なものだが、『政府としてのブレグジット計画』があると言えるまでには遠く及ばない。優先順位が決まっていないし、全体的な交渉戦略とのつながりもない」と指摘している。

しかしこれに対して首相報道官は、報告書のこうした指摘は「政府見解とあまりにかけ離れている」と述べ、政府にブレグジット計画がないという指摘を「全面的に」否定すると言明した。

デロイト社は15日午後、報告書について声明を発表し、「これは第一に内部のための文書で、内閣府その他の政府省庁に作成を依頼されたものではない。ホワイトホールが直面する課題を説明したものだ」と説明。「文書作成のために首相官邸に接触したことはないし、他の政府省庁から情報を得ていたわけでもない」という。

一方で、EU残留派のひとりで元保守党政権の財務相だったケン・クラーク氏はBBCラジオに対して、「おそらくすべて正確だと思う。とても本物らしい内容だ」と述べ、「(ブレグジットの)打撃にどう対応するか判断するのに6カ月はたっぷりかかるだろう」と指摘した。

野党・労働党のマクドネル影の財務相は、ブレグジットに対する政府の「ばらばらでどうしようもない」対応のせいで、英国経済はEU離脱に向けて十分な備えができずにいると批判した。

ブレグジットについては、離脱手続きを開始するリスボン条約第50条を政府が発動させるには、まず議会の承認が必要だと高等法院が判断を示している。政府はこれに上訴しており、最高裁の審理は12月5日に始まる予定。

(英語記事 Downing Street dismisses Brexit 'divisions' memo

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37996162

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