使えない上司・使えない部下

2016年11月23日

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 今回は、ベンチャー企業の管理職(40代半ば・男性)を取材した。前職の有名IT系ベンチャー企業(正社員数150人)で管理職をしていた5年ほど前、「使えない上司・使えない部下」と巡り合い、徹底して振り回されたという。そのことが理由となり、退職。今、新たな職場で活躍する。当時を「意識や感覚が狂っている人が多かった」と振り返る。

土壇場になると裏切り、はしごを外し、自己保身をする

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 前職の頃、「使えない上司」は、管理職(マネージャー)である自分からすると、土壇場になると裏切り、はしごを外し、自己保身をする本部長や役員たちでした。

 たとえば、「Aという仕事をするよう」と私に命じておきながら、社長が「Aなんて、しなくともいい!」と怒ると、手のヒラを裏返します。本部長や役員は、「そんなことを指示していない」と言います。社長に「私が、彼にAをすることを指示しました」とは絶対に言わない。

 部署の指揮命令が混乱し、バカバカしくなり、辞めていく人もいました。私もそのひとりです。土壇場で、はしごを外す人は、要はメンツやプライド、体裁を守りたいのでしょう。

 本部長や役員から、「君の部署で、この仕事をいつまでに終えるように」と言われても、また、裏切るだろうなと思ってしまいます。そもそも、社長と役員、本部長の間で仕事の分担や権限・責任の取り決めをしていません。本部長や役員は、社長の顔色をうかがい、気分を損ねることを恐れ、ホンネの話し合いをしない。何も詰めることなく、言いやすい管理職にめちゃくちゃな指示をします。

 こんな職場に慣れてくると、腹が立たなくなります。「そこまでして、しがみつきたいの?」と思うくらいです。本部長や役員は、管理職に「申しわけない」なんて感じていなかったように思います。むしろ、「あいつらは呑み込みが悪い」と言っていたんじゃないでしょうか。自分を正当化することが得意で、詭弁の繰り返し。私が退職するとき、本部長があっさりと謝るのです。「互いにコミュニケーションがうまくいっていなかったみたいで、悪かったな」と。

 こんなことをいえるのは、実際は、悪いとは感じていないからでしょう。申し訳ないと思っているならば、口にできないセリフですよ。日ごろから、詭弁の繰り返しで、嘘やねつ造を積み重ねていました。その流れの中で、まれにうまくいくと、「ほら、俺の言ったとおりだろう?」となります。「間違いは、部下であるお前たち」と言わんばかりでした。

 だから、問題の原因が残ったままでした。相変わらず、社長が介入し、指揮命令が混乱。管理職や部下は、ムダなことを繰り返していく。精神的に疲れ、辞めていく。そんなときも、彼らは詭弁を使います。「あいつらは使えない。だから、辞めた」という方向に話をもっていくのです。

 役員のひとりに、40代半ばの男性がいました。好き嫌いが激しく、気にいった管理職をかわいがります。何かのきっかけで、寵愛のターゲットから外された管理職は、一転して憎しみの対象となり、苛め抜かれ、追い出されます。

 管理職たちも、保身に走ります。本部長や役員と建前の話し合いしかしなくなり、ホンネで問題点を詰めなくなります。結局、言いやすい部下(非管理職)にめちゃくちゃな指示をします。社長と同じく、本部長や役員も中途半端に「そんなことするな!」と介入をします。部下に指示をしたはずの管理職は、「私はそんな指示はしていない」と詭弁を言い始めます。だから、意識が高く、やる気のある20~30代の社員がバカバカしくなり、辞めていくのです。

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